2010.03.30

【お知らせ】「デジタル教材の教育学」4月刊行

4月に東京大学出版会から、山内祐平編「デジタル教材の教育学」が刊行されることになりました。A5版208頁・税込み3360円です。Amazonはまだですが、書店予約は始まっています。ISBN978-4-13-052079-9になります。

学校教育、企業内人材育成、外国語教育、生涯教育など、オンライン学習が広まる中、デジタル教材に何が求められているのか、その歴史と思想から、活用の動向、設計/評価の実際まで、デジタル教材に関する基礎知識を網羅した一冊です。ぜひご予約ください。

第1部 デジタル教材の歴史と思想
第1部では、デジタル教材の歴史と背景にある思想について、理論と事例を対応させながら解説する。序文で述べた概要を詳説し、デジタル教材の歴史と思想がどのように関係しているのかをCAI, マルチメディア教材, CSCLの順に説明する。

1章 個人差に対応する:CAI
行動主義を背景としたスキナーのティーチングマシンという発想が、教師による画一的な教授行為の代替案として、一人一人の学習進度に対応するためのCAIという形態を生み出す。ここでは、事例として初期のCAIであるPlatoと人工知能技術を用いた知的CAIであるBuggyを紹介する。

2章 学びの文脈を作る:マルチメディア教材
子どもを受動的な学び手として仮定したCAIを批判して、学習者の能動性を重視し、学ぶための文脈や素材の提供に主眼をおいたマルチメディア教材が制作されるようになる。その背景には、行動主義から認知主義へのパラダイムシフトがあった。

3章 議論の中で学ぶ:CSCL
学習は社会的状況に埋め込まれた行為であるという社会構成主義の考え方を背景として、複数の学習者が議論しながら学習を進めるための学習支援システムの開発が行われる。事例として、CSILE, Knowledge Forum, ReCoNote, WISE, LeTUSを紹介する。

第2部 デジタル教材の活用と展開
学校教育での利用を中心に研究されてきたデジタル教材は、インターネットの普及とともに、社会の様々な領域で活用されるようになった。第2部では、特に利用が伸びている領域として第2言語習得, 企業内教育, シリアスゲームを取り上げ、解説する。

第2言語習得での活用:Computer-Assisted Language Learning
第2言語習得における情報通信技術利用の流れを3段階に整理し、それぞれの段階においてどのようなデジタル教材が制作されてきたかをまとめる。また、事例として、ニューハンプシャー大学と青山学院大学で行われた実践研究を紹介する。

企業内教育での活用:eラーニング
企業内人材育成のために、デジタル教材は多様な形で利用されている。企業内教育における情報通信技術の利用の流れを概説し、事例として産業能率大学で制作されたGBS理論に基づくeラーニング教材「TARA-REBA eラーニング」について説明する。

学びと遊びの融合:シリアスゲーム
教育や社会における問題解決のためにデジタルゲームを開発・利用する試みとしてシリアスゲームの動向について解説する。事例としてFood Force, Virtual U, Huzmat: Hotzoneを紹介する。

第3部 デジタル教材のデザイン論
第3部では、デジタル教材を制作するために必要な設計論・評価論を教育学的な理論と対応させながら解説し、BEATで開発されたデジタル教材「おやこdeサイエンス」と「なりきりEnglish!」を事例としてデジタル教材の設計と評価の実際について考える。

7章 デジタル教材を設計する
デジタル教材を設計するための理論として、章の前半においてインストラクショナルデザインを解説し、後半では教材設計に有用な理論として、ARCSモデル、認知的柔軟性理論、実践共同体をとりあげる。

8章 デジタル教材を評価する
デジタル教材の評価について、評価に対する考え方、実験や準実験などの評価の方法、学習履歴データを利用した仮説生成型の教材評価について解説する。

9章 デジタル教材の開発1:おやこdeサイエンス
BEATで開発された親子で科学を学ぶためのモバイル学習環境「おやこdeサイエンス」を事例として、教材開発から評価までの流れを説明する。

10章 デジタル教材の開発2:なりきりEnglish!
BEATで開発された社会人向けモバイル英語学習環境「なりきりEnglish!」を事例として、教材開発から評価までの流れを説明する。

2010.03.24

【最終案内】学習環境のソーシャルイノベーション

BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、2009年度第4回
BEAT Seminar「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材
の育成」を3月27日(土曜日)に開催致します。

 Twitterをはじめとするソーシャルメディアは、人と人のつながりを変える
ことによって社会的なイノベーションの契機になります。このような社会を開
拓していくのは、追求する課題を発見し、人的ネットワークを活かしながら、
プロジェクトを遂行していく「自律的人材」です。

 この公開研究会では、BEAT第2期(2007-2009)の成果を総括した上で、BEAT第
3期(2010-2012)の研究テーマに関連して、ソーシャルメディアの登場による社
会の変化と、それに対応した自律的人材の育成について議論を深めたいと考え
ています。みなさまのご参加をお待ちしております。

―――――――――【2009年度 第4回 公開研究会 概要】――――――――

■主催:東京大学 大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座

■日時:2010年 3月27日(土)午後1時より午後5時まで

■場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
    福武ラーニングシアター(B2F)
    http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map41.pdf

■定員:180名(お早めにお申し込みください)

■参加方法:参加希望の方は、BEAT Webサイト
       http://www.beatiii.jp/seminar/
      にて、ご登録をお願いいたします。

■参加費:無料

■内容:

1. BEAT 第2期成果報告と第3期の研究計画 13:00-13:50

 ▼ 休憩

2.講演1 14:00-14:40
 「ソーシャルメディアの発展と社会の変化」
  松村太郎(慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)

3.講演2 14:40-15:20
 「自律的人材像と今後求められる教育」
  藤沢 烈(株式会社RCF 代表取締役社長)

 ▼ 休憩

4.参加者によるグループディスカッション 15:35-16:00

5.パネルディスカッション 16:00-17:00
「学習環境のソーシャルイノベーション:未来を拓く自律的人材の育成」
  司  会:北村 智(東京大学 特任助教)
       御園真史(東京大学 特任助教)
  パネラー:松村太郎 (慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)
       藤沢 烈 (株式会社RCF 代表取締役社長)
       山内祐平 (東京大学 准教授)

*終了後、懇親会(有料)

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