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程 琳(修士課程2年)

ランゲージエクスチェンジにおける学習者の学習効果に影響を及ぼす要因について


 近年、教学に関する研究は先生中心的な教授法などのものから、学生中心の研究視座が増え、特に学習コミュニティや参加型学習への関心が高まりつつあります。中でも、応用能力を強調する外国語学習の分野においては、応用による学習の試みは研究よりも実践が先を走っていることもいえます。

 本研究が着目しているキーワードは「ランゲージエクスチェンジ」(LEX―Language Exchange)であります。LEXとは、異なる言語のネイティブスピーカーが相手の言語を学ぶためにミート或いはコミュニケートするプロセスのことです。ほかにまたtandem learningやconversation exchangeと呼ばれることもあります。

 LEXに関する先行研究は欧米中心にたくさんありますが、LEX活動による学習者の外国語不安感軽減などの社会心理学的なものがメインで、また、活動のプロセスに関しては、条件をコントロールしてそれぞれの言語によるコミュニケーション活動にするか、条件をコントロールしないで言語利用の特徴を分析するかの研究がほとんどを占めいています。

 ところが、実験的な統制条件をはずすと、または活動をサポートする先生役のファシリテーターがいなくなると、実際のインフォーマルな活動活動としてのLEX活動は「互恵性」と「自律性」の二原則がよく保たれないことから、長続きできず破綻するケースが多くあります。

 そこで、本研究では、インフォーマルな学習活動としてのLEXを支えることを大きな目的とし、自律性の一項目としての学習目標設定に絞込み、LEX学習者に学習目標を設定してもらう組と普通のままの組の学習過程と学習効果を比較することにより、LEX効果を向上する提案を目指します。

 具体的には、最初は初対面の初級中級レベルの二言語学習者にLEXのペアを組んでもらいます。今度は言語能力のチェックとして、初級中級レベルのチェック項目をさせます。その後、学習目標設定を暗示する目標設定シートを実験群のペアに記入してもらい、学習目標を念に入れながら今度のLEX学習活動をしてもらいます。LEX活動自体に時間以外の制限を加えないのですが、言語による提示の干渉をできるだけ小さくするため、統制群も実験群も同じ絵カードをLEX活動の話題にしてもらいます。制限の時間になったら、LEXの結果としてのものを学習相手の言語(自分の第二言語)によりまとめの発表をしてもらいます。

 実験の対象者は、日本語学習暦300時間以上の中国人大学生と中国語学習時間200時間以上の日本人による二人ペアの合計20ペアを予定しています。
 道具としてのチェック項目と絵カードは学習時間に準じた日本語能力試験と中国語検定試験の過去問と模擬テストから用意します。

 現在の段階では、プレの実験として、四ペアの学習者に協力をいただきましたが、今後はプレ実験のデータ分析を終えたら、その修正を加えて、十月末までに本実験の20ペアを進める予定でございます。