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帯刀 菜奈(修士課程2年)

歴史的共感の向上を支援するデジタルストーリーテリングに関する研究


【背景】

日本の歴史の授業は好きですか?歴史に興味はありますか?歴史はあなたの生活に役立っていますか?「大学受験に関係ないし・・・」「なんか言葉が難しくてピンとこない」「時代のイメージがわかない」なんて声が聞こえてきそうです。一方、高等学校において、「記憶する歴史」から「考える歴史」への転換( 中谷2008)が求められています。これは、現代の常識に囚われず過去の行動や出来事を理解する「歴史的共感」で会得した「歴史的思考力」によって可能になるとされています。
しかし先行研究は少なく、実践例も活動ばかり重視され、生徒が歴史を理解することを保障した学びとはなり得ていないという問題(田中2007)があります。

【目的】

そこで研究をしようと思ったのが、「文脈上の歴史的共感(CHE)」という観点です。共感した内容を基に「それで、自分はどう考えるのか?」と解釈(評価・判断)考察します。歴史的思考力の形成は、歴史背景や年代を理解し、史料等を分析し、物語として構築する能力という複合的過程(Yeager, Foster2001)を指し、これを実践することが、考え・表現する授業へとつながると考えたのです。日本史の授業の過程で、歴史的共感を得られれば、「図式化された紋切り型の歴史の語り」から脱却し、個人の自発的な問いかけから歴史の授業が始まるという理想に近づけると確信しています。「歴史的共感」を得て身につけた「歴史的思考力」は、自分自身の物の見かたや意見にとらわれずに過去の行動や出来事を理解する能力(Lee, Dickinson and Ashby1997)なのです。

【方法】

その方法として、私は、「絵画史料を用いたデジタルストーリーテリング」に着目しました。絵画史料とは絵巻物や肖像画、屏風絵、出版物の挿絵などです。そのような絵画史料を題材にしたのは、特殊な訓練や技能がなくとも、そこに何が描かれているかは高校生でも視覚的に認知することができるから。「なぜ?」という疑問が生まれやすい素材といえるからです。
それでは、デジタルストーリーテリング(DST)って何でしょう。
コンピュータを用いて、作成した(取り込んだ)画像やデジタルカメラ画像を、ナレーション(音声)でつなげて物語を制作することです。
強烈に「誰かに」「何かを」伝えたいものをデジタルで素材を作って物語を作ることです。
本研究では、絵画史料を使用し個々の生徒がそこに描かれている人物をDST 作品化する体験的学習プログラムの制作を行います。DST 化するために生徒は、①テーマ②特徴③興味を基軸に主人公を設定します。主人公の時代背景を調べ、一人称かつ現在時制を用いた「なりきり」脚本を書き、イメージ画像をデジタル作成するのです。「なりきる」事で歴史的共感獲得を意図します。作品はweb にup し、他の役になりきった生徒とロールプレイや意見交換をします。・・・・・これが私の「絵画史料を用いたデジタルストーリーテリング」です。

【評価】

評価方法は、未定です。悩んでいる最中です。