森 玲奈(博士課程3年)
ワークショップ実践家のデザインにおける熟達と専門性育成に関する検討
ワークショップとは、もともとは「作業場」を意味する英語でしたが、ここ数十年の間に、学びのための新しい方法として実践が行われるようになりました。中野民夫「ワークショップ」(岩波新書)によれば、ワークショップとは「先生や講師から一方的に話を聞くのではなく、参加者が主体的に議論に参加したり、言葉だけでなくからだやこころを使って体験したり、相互に刺激しあい学びあう、グループによる学びと創造の方法」と定義されています。
この手法の使われる領域は現在多岐に渡っており、非常に注目されています。しかしながら、実践家の育成に関する研究はあまり行われていません。そこで、実践家を育てるための方法を検討する材料として、ワークショップ実践家の専門性とは何か、そしてその専門性はいかにして獲得されてきたのかについて考えるというのが、私が博士論文で取り組んでいる研究課題です。
昨年度までは、ワークショップ実践家のデザインにおける熟達過程に関し、2つの実証研究を行ってきました。これらは『学習を目的としたワークショップのデザイン過程に関する研究』、『ワークショップ実践家のデザインにおける熟達過程 デザインの方法における変容の契機に着目して』という2本の論文にまとめました。
これら熟達化研究の知見を踏まえ、本年度は新たな調査を開始しました。新しい研究では、「ワークショップを実践する人とは一体どのような人なのか」という問いを持って、実践家特有の実践観(ワークショップ実践家の間では、このようなもののことを「構え」と呼ぶことがあります)について迫る調査を行っています。具体的な研究方法としては、インタビューと質問紙を組み合わせて、調査を進めています。
本研究の結果から、ワークショップ実践家が育つ場づくりに対し、少しでも有用な提案ができたら良いな、と思っています。

