池尻 良平(博士課程2年)
歴史的類推を現代の問題の解決に応用する力を育成する学習方法の提案
私の研究では、高校生が歴史の授業で学んだ知識を、彼らの生活する現代社会で応用できるような学習方法をデザインしています。
生徒が学校で習った知識を社会で活用できるようにすることは、教育の重要な目標の一つになっています。
実際、高校の学習指導要領を見ると、世界史の目標として「歴史の理解を単なる知識の習得のレベルにとどめず、習得した知識を統合して現代の課題を分析し、未来を展望することにつなげていく」
と書かれています。
近年、歴史学習の研究分野では「歴史的思考力」を育成する学習方法がたくさん研究されてきました。その中で、「歴史」史料を批判的に読む学習、「歴史」を批判的に解釈する学習、「歴史」上の出来事の因果関係を多面的に構築する学習などが現れてきました。
ところが、歴史学習で習った内容を「現代」の社会に活用する学習方法はまだ研究されておらず、要求されている目標に比べて歴史の学習方法が追いついていない現状があります。
そこで修士研究では、産業革命期の労働問題の多面的な因果関係を現代の因果関係に置き換えていき、現代の社会的な問題の原因を歴史のようにマクロな視点で分析できる学習方法として、4人用の対戦型カードゲーム”historio”を作りました。
(http://www.i-timemachine.net/hi.htmlで無料公開しています)
今の研究では、歴史上の様々な観点を持った人物の政策を利用して現代的課題を解決させられる学習ゲームをデザインしています。博士研究の成果を通して、歴史の応用可能性とその有効な学習方法を提示し、高校生に「歴史って覚えてばっかで意味ないと思ってたけど、実際役に立つなぁ〜」と言ってもらえるようになればいいなと思っています。

