2018.06.26

【研究計画】中学生を対象とした自己調整学習支援システムの開発(M1 宮川 輝)

ご無沙汰しております。2年目のM1・宮川です。
昨年の秋から半年間の休学を経て、4月より研究室に復帰いたしました。

研究テーマは昨年度に引き続き「自己調整学習」です。

自己調整学習とは、アメリカの教育心理学者Barry Zimmermanにより提唱された理論の枠組みで、「予見段階」「遂行段階」「自己内省段階」という3要素のループによって表される図が有名です。いわゆる「PDCAサイクル」といったものに近い構造になっています。

Zimmerman (1986, 1989) において自己調整学習は〔学習者がメタ認知・動機づけ・行動において自身の学習過程に能動的に関与していること〕 と定義されています。特に「メタ認知」はその中でも主要な関心事であり、自分自身の置かれた状況を一歩外側から俯瞰するといった意味合いがあります。

自己調整の対象である学習過程とは「目に見えないもの」であり、そもそも捉えることが非常に困難です。そこで、たとえば学習目標の明文化であったり、学習日誌の作成であったりといった「プロセスの可視化」が基本的な支援として考えられる方法です。

そうした自己調整学習の支援研究はアメリカを中心として盛んに行われ、理論的・実践的な知見が多く獲得されてきていますが、日本においては特に実践研究に関する蓄積はまだ多くないという状況にあるようです。

しかし、平成32年度から順次実施される日本の学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」が目標として設定されていることからも、自らの学習のプロセスへの積極的な関与を促す自己調整学習という分野は、今後その役割を大きく広げていくことが期待されています。

さて、冒頭で述べましたZimmermanによる定義からも推察されるように、自己調整学習とはそれ自体が独立した研究分野であるというよりは、「学習プロセスへの主体的な関与」を軸に再構築された理論の体系である、と言えます。

そのため介入のアプローチ方法も様々ですが、私は持続的で人的コストの少ない支援方法として期待のできるICT(情報通信技術)を使用した実践に着目したいと考えています。また、介入の切り口として、「Co-regulation (共調整)」「Sense of agency (自己主体感)」「Perfectionism (完全主義)」といった、従来の介入研究においてあまり重視されてこなかった要素についても検討できないかと模索しつつ、先行研究のレビューを進めています。

私は休学中、テレビ番組の「構成」を考えるという仕事をしていました。番組における「エピソードトークの流れ」「企画の狙い」といった構成原理は、視聴者からすれば目に見えないものですが、メタな階層から番組を支える要素であると言えます。メタ認知的な頭の働かせ方というのは、勉強に限らず様々な場面で必要とされているはずです。

半年間の社会経験の中で私自身これまでとは異なる文脈を獲得し、また山内研にも多様なバックグラウンドを持つ新たなメンバーが加わりました。そうした学習環境の変化のなか、自らの研究・あるいは自分自身を再度見つめ直し、学際的な視野を保ちながら前進していければと思っています。

【宮川 輝】

2018.06.19

【研究計画】成人を対象としたフロー状態を引き出す支援

こんにちは。M1の小野寺です。
大変遅くなってしまいましたが、先日6月2日の入試説明会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。

さて、本日は私の研究計画について書かせていただきたいと思います。
私の研究テーマは、「成人を対象としたフロー状態を引き出す支援」です。
私は学部において教育学を専攻しており、特に初等教育について勉強していました。
つまり、初等教育については4年間学んでいましたが、学校以外の場面における学習についてはあまり馴染みがありませんでした。
それで、徐々に生涯学習について興味を持つようになりました。
学習という営為を長い目で見ていくと、子どもの頃は教師や保護者といった指導者の存在がありましたが、
生涯学習となると指導者不在、あるいは自らが指導者となって自分で進んで学習していかなければなりません。
その時に、いわゆる「やる気」をどのようにコントロールしていくかということは重要な問題となっていきます。
そのような問題意識が私の研究の土台となっていると思います。

以下、私の研究計画の概要です。
超高齢社会における高齢人口の増加や急速なグローバル化により、
絶えず知識や技術を習得・発展させていくことが必要となった現在、
学習という営みは、学校教育だけではなく生涯を通じてのものとなりつつあります。
そして生涯学習において、学習者がどのような学びを得、それをどのように生かしていくのかという、
学習内容や知識・技術の発展以外に、学びに向かう原動力と言える動機づけが重要となってきます。
その動機づけの1つの理論に、フロー理論があります。
フロー理論とは、「一つの活動に深く没入しているので他の何ものも問題とならなくなる状態、
その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために多くの時間や労力を費やすような状態」
(チクセントミハイ著 今村浩明訳『フロー体験 喜びの現象学』p.5)
についての理論とされています。
加えてこのフローの状態になりやすい人となりにくい人がいるとされています。
私はこの「フロー状態になりにくい人」に焦点を当てて、どうしてなりにくいのか、
また、どうすればフロー状態に近づくことができるのかについて研究していきたいと考えています。
よろしくお願いいたします。

【小野寺萌美】

2018.06.07

【研究計画】中学生を対象とした正課外活動における社会情動的スキルの向上に関する評価 ーUWC ISAK Japanのサマースクールと対象としてー(M2 中野生子)

皆さん、こんにちは。M2の中野です。
私は社会人学生で、昨年から働きながら学生との二足のわらじを履いています。今年から山内研に社会人学生が増え、研究室の多様性もさらに深みを増してとても刺激的な研究生活を送っています。


私の研究テーマは「社会情動的スキル(Social Emotional Skills/Competencies)」です。一般的には、「認知能力以外の能力」という意味で「非認知能力」とも呼ばれています。新米研究者として様々な文献を読む中で、アカデミック用語と一般的な用語とには乖離があることや、研究者の立ち位置によってある能力やスキルの捉え方が大きく異ることが分かりました(社会人学生あるあるです!笑)。当該スキルに関していうと、教育分野の研究者は「非認知能力」という言葉使いません。こう表現する研究者は経済学者であったり統計学者であったりします。また心理学の研究者はこれをパーソナリティ特性≒性格と捉えて、短期的には変わりにくいものとして捉える研究者もいます。教育分野の研究者は、社会情動的スキル(コンピテンシー)であったり、情動知能(Emotional Intelligence)として捉える研究者が多いと思いますが、国内にはあまりこの分野の研究者が多くないのが現状です。研究分野によって、長い年月多くの研究者に研究されて、知のマップが出来上がっている研究分野もあれば、社会情動的スキルのように比較的研究の歴史が浅く、概念の定義がまだまだ揺れている分野もあります。


私の研究では、CASELが定義する社会情動的スキル(Self-awareness, Self-management, Social awareness, Relationship skills, Responsible decision-making)に基づいて、当該スキルが育成される学習環境はどんな環境なのか、社会情動的スキルの育成には何がキーファクターであるかを明らかにし、教育プログラム・環境をデザインしている教育関係者の皆さんに知見をお返しできたら、と考えています。具体的にはUWC ISAK Japanが中学生を対象に実施しているサマースクールを研究対象として、社会情動的スキルに及ぼす影響や、変化の要因を明らかにすることを目的としています。


なぜ中学生に着目するのか?
大規模な身体的・社会的・認知的変化が起こる青年期の中でも、中学生は、小学校からの移行に伴って、学業面では学習内容の高度化、また学級担任制から教科担任制への転換、さらに対人関係面では友人や教師との新たな関係作りが求められ、部活動も始まるなど、大きな変化を経験する時期です。これらの状況への有望なアプローチとして、社会情動的スキルの育成が注目されており、当該スキルの育成が彼らが抱えうる問題の改善・予防に大きく寄与し、子ども達のWell-Beingに繋がると考えられるため、この年代の子ども達に着目しています。


なぜ学校外教育に着目するのか?
Granger(2002)は、Youthのwell-beingに寄与する要因の一つとして「supportive relationship with peers and adults」を、またDes Marais, Yang, and Farzanehkia(2000)は、Youth leadersの成長に重要な要素として「partnerships between youth and adults」を特定しており、対人関係を重要視しています。社会情動的スキルの5つの下位概念の中でも、他者との関係が色濃く反映される社会意識(social-awareness)や関係構築(relationship building)は其々、「The ability to take the perspective of and empathize with others, including those from diverse backgrounds and cultures.」「The ability to establish and maintain healthy and rewarding relationships with diverse individuals and groups. 」と定義されており、いずれも"Diversity(多様性)"を強調しています。
これまでの社会情動的スキル育成の実践・研究は学校内の活動に着目したものばかりで、正課外活動(学校外)を対象とした社会情動的スキルの研究は少なく、更なる実証研究の必要性が指摘されています(遠藤, 2017)。学校内の中でも、とりわけ学級内のものが多く、同じ地域出身、同じ年齢という、どちらかというと均質的なバックグラウンドを持つ子ども達が集まる環境であり「多様性に富んだ」環境とは言い難い環境です。一方で、正課外の活動は、異なる年齢、異なる学校出身の子どもが参加し、また関わる大人のバックグラウンドも教員だけではなく学校内の環境より多様性に富んでいるため、本研究では、正課外の活動に着目したいと思います。


なぜサマースクールなのか?
先行研究において、SEL指導のアプローチは制限的で、教育者の焦点を教室や学校内での人間関係に向かわせる方法ではなく、個人個人の欠点・弱点の測定と改善にのみ焦点を当てている(Hoffman, 2009)と批判されています。このような批判から、アメリカでは近年、Positive Youth Development(地域社会、学校、組織、仲間グループ、家族の中で、生産的で建設的な方法で若者を関与させる、意図的で向社会的なアプローチ)という考え方が広がってきています。ほとんどのサマーキャンプは、大人の監督の元、参加者が成人期に向けて成長を手助けできるように目標設定されており、そのプログラムモデルはPYD理論に根ざしています。キャンプは若者の情動的、認知的、行動的、身体的、社会的、精神的(spiritual)な成長を促進する、と言われています(Garst & Bruce, 2003)。上記より、本研究では正課外の活動の中でも、とりわけサマーキャンプ・サマースクールに着目します。


今はアセスメント手法を含めた調査方法を検討中で、引き続き四苦八苦の研究生活が続きそうです。

【中野生子(Seiko NAKANO)】

2018.05.30

【研究計画】外国語学習において学習者の情意に好影響を及ぼす異文化間のCSCLカリキュラム開発

こんにちは。今年度より山内研M1としてお世話になっております、井坪と申します。
新学期が始まって早2ヶ月。まだまだ自分は入学したてのひよっこだと思っていましたが、今週末には学府の入試説明会もあり、刻々と時が流れるのを感じています。


私の研究テーマは、「外国語学習において学習者の情意に好影響を及ぼす異文化間のCSCLカリキュラム開発」です。
概要としては、異なる母語と文化背景を持った、外国語(例:英語)の学習者同士が、CSCL(Computer Supported Collaborative Learning:コンピュータに支援された協調学習)を用いたワークショップを経験すると、どのような情意的変化(例:第二言語不安や動機づけ)が見られるのかについて明らかにしたいと考えています。学部の卒業論文では第二言語不安に焦点を当てていたので、現時点では、第二言語不安を軽減するカリキュラムの開発と評価を行いたいなと思っています。

私は小学4年生から高校卒業までを海外で過ごしました。中学時代にインターナショナルスクールに通い始めた時、様々な文化的背景を持つクラスメイトと関わりながら、英語を学んだ経験が7年半の海外生活の中で特に印象的だったなと思います。
EFL(English as Foreign Language)クラスと呼ばれる、英語が母語ではない生徒ばかりのクラスで最初のうちは長い時間を過ごしました。そこのクラスメイトと関わる中で、私は英語学習へのモチベーションを高めたり、英語への自信のなさを克服できたりした気がしており、この経験は一般論に落とし込めるのか、という疑問が、私の研究の出発点となっています。

また、社会的背景として、現行の学習指導要領では、「生きる力」を育むということをキーワードに、外国語でのコミュニケーション能力の素地を培うためのプログラム等が増やされており、特に、外国語でのコミュニケーション能力の素地を培うためのプログラムの増設など、グローバル化の進展など急速な社会の変化についていける人材の育成には、実践的な外国語教育が必要だと言うことが示唆されています。
今後必要になる実践的な外国語教育とはどのようなものなのか、また、コミュニケーション能力とは具体的にどのような能力のことを指すのか、研究を進めていく中で自分なりに明らかにしていけるよう、頑張っていきたいです。


山内研にご興味のある方は、ぜひ今週末(6/2)の学際情報学府入試説明会にもいらしてください。
お待ちしております!

【井坪葉奈子】

2018.05.17

【研究計画】学習者の自己評価と他者評価の折衝過程に関する調査

こんにちは、M2の根本です。
新年度が始まったと思ったらあっという間にGWが明け、いよいよ大学は五月祭ムードになってきました。本郷キャンパスは普段、夜中は静かなのですがこの時期になると心なしか人が多いように感じます。

ということで、新年度が始まってじわじわと考え進めている私の研究テーマをご紹介します。
昨年段階では「自己評価の変化」に関心を持っていたのですが、自己評価の変化が起きるのは、自己評価と他者評価の衝突の場面なのではないか?と考え、ではそこで何が起こっているのかが気になるようになってきました。


■自己評価
自己評価(Self-Assessment)とは、学習者が自身の学習や成果について評価することを言います。「今日の〇〇は何点だった?」というように点数をつけるものもあれば、「今日の良かったところ悪かったところを挙げましょう」と文章で回答するものもあります。
自己評価を行うと、成績が上がる・自分で学習ができるようになるといった効果があるとされ、どのように自己評価をするか、どうやって自己評価する力を高めるかという研究がなされています。


■自己評価する力の高め方
自己評価する力を高めるための代表的な方法は、指標となるもの(ルーブリックなど)を使って、自己評価するトレーニングを行うことです。学習者が「正確な」自己評価を行うことは難しいため、ツールを用いて自己評価を行うことを繰り返して自己評価のトレーニングをする方法が検討されています。


■自己評価と他者評価の衝突・差異
自己評価が変わるきっかけの一つとして「他者から自分が思っていたのと違う評価を受ける」ということがあります。「できた!」と思っていたのに「全然違う」、「できなかった」と思っているのに「それで良いんだ」、「え、ここ言われるの?」など...
自己評価のトレーニングも重要ですが、そういったきっかけで何が起きているのか、そういったきっかけで変化する人としない人がどのような異なるのか、という点に興味を持っています。


■差異をどう受け止めるか
差異の受け止め方は人それぞれなはずです。びっくりする人、そういうものかと思う人、「あの人はそうだから」と受け流す人、「あの人はどう考えているんだろう」と考える契機にする人...そういった受け止め方がどのようになっているのか、またその違いが自己評価のあり方、ひいてはその後の学習成果にどう影響を及ぼすのかを調査しようとしています。


文献を読んだりして見たいものや考えたいものを浮かべるのは楽しいのですが、実際の調査・研究計画に落とし込んでいくところに苦戦中です。これから頑張っていきたいと思います。

【根本紘志】

2018.05.09

【Research Plan】Deepening the Visitor's Inquiry Towards Explorative Geovisualization through Semi-Structured Facilitation (M2 Tetsuya Hasegawa)

In the era of sustainability, improving the general public's understanding of such issues is critical. Geovisualization, which converts complex geospatial data into a visual format, is one method to promote comprehension. Specifically, recent studies have started to investigate methods to engage learner themselves to explore geovisualizations in informal environments. The procedure of data exploration is to make observations, develop questions, and generate hypotheses. To deepen such process, Ma et al. (2012) designed a museum exhibit to afford the learner to link to another data in solving questions of one data. However, including further attempts to improve the system (Ma et al., 2015; Hseuh et al., 2016), most learners were limited to making simple observations in a particular data. Therefore, this research will look into staff facilitation as an alternative approach to support cross-data exploration. A design-based research will be conducted to iteratively refine a model of facilitation. Data collection is planned to be done by video and qualitatively analyzed based on constructivist grounded theory. The study hypothesizes that the design principle is to utilize data-connection not only for answering questions to the previous data but also to trigger another cycle of inquiry to the next data. Further design strategies to implement such principle is to "prompt questions that require data linkage", "allow the learning goal to change after data linkage", and"suggest data that possess a similar structure of relation".
 
【Tetsuya】

2018.04.26

【今年度の研究計画】文字式におけるプロセプト的思考を支援するゲーム教材の開発と評価

こんにちは!3年目だけど1度目の修士2年、花嶋陽です。

自分の研究テーマは、「数学が不得意な生徒への学習支援」で、修士研究では「文字式」を対象としています。
xとかyとかその辺のやつです。
これは、中学以降の数学においてずっと必要となりますし、使えるようになればとっても便利なんですが、
どうしてもここでつまずいてしまう生徒が多いと言われています。
なので、自分の研究では中学1年生の最初に習う、最も基本的な文字式の学習(1次式の計算や表現など)における支援を行いたいと思っています。

具体的には、数学学習において重要とされているプロセプト的思考の獲得を支援するようなゲーム教材の開発を考えています。
プロセプト的思考とは、D.Tallにより提唱されているもので、数学的記号を計算過程(プロセス)としても、その結果としての概念(コンセプト)及び対象物としても柔軟に切り替えてみれること(プロセプト(=プロセス+コンセプト)的思考)です。
具体的に文字式において見てみると、例えば
3x+2は、
・「3とxをかけて、2を足す」という計算過程
・その計算をした結果としての「一つの数」
という二つの見方ができます。
そして、文字式においてつまずきが見られる生徒は、3x+2を計算過程としてしか見れないがゆえに困難が生じているということが言われています。
例えば、
・8x+4­-6x+1 = 2x+5 = 7x
このような誤答が起こるのですが、これは2x+5を「それ自体一つの数として見れず、まだ計算の途中としてしか見れないため、無理やり2x+5を『計算』してしまい、7xとする」というような生徒の認識的なつまずきが隠れています。
他にも、以下のような問題において、解答できない生徒は、そもそもa+2本やa-2本を「数」として見れないため、(a+2)+(a-2)のような立式自体ができないという困難性があります。
Screen Shot 2018-04-26 at 18.50.07.png

このような困難性に対して、文字式を計算過程としてだけでなく、「一つの数」として2とか3のような具体的な数と同様に扱えるようにすることが、本研究の支援目標となります。
そして、その支援方法として、視覚的なフィードバックや真正性の高い試行錯誤が行えるゲームという形態を選び、その開発と評価を行うことが私の研究計画となります。

数学でつまずいてしまう生徒や、そういった生徒にどうアプローチすればいいか模索していらっしゃる先生方への一助となれば幸いです。

【修士2年 花嶋陽】

2018.04.15

【Research Plan】Facilitation for Learning Community in Large-scale Online Learning Environment: a case study on Studying at Japanese Universities (M2 ZHOU Qiaochu)

Hi everyone! This is Qiaochu. Glad to write the first blog for this new semester. Right now, I am diving into the data analysis of my research and preparing for the thesis writing. As professor said, 70 % of the workloads may have been done but the last 30% is another challenge to go. This is quite right and therefore I need to optimize my time and schedule for the writing process.

You may have already noticed that finally I adjusted the research theme to "facilitation". Focusing on this, case study on one MOOC is adopted to explore facilitation in MOOC's online learning environment. And this time I will briefly introduce my research methods and progress of the research, with some preliminary analysis we got so far.

So, the MOOC of "Studying at Japanese Universities" by the University of Tokyo on Coursera will be researched as an information-oriented course. Being a representative case embodying the role of facilitation in MOOC learning context, "Studying at Japanese Universities" also features the particularity as an informative course, with over 10000 global online learners. With high rating (4.7/5) on Cousera, data accessibility, and active interaction, this course is worth researching for MOOCs' development in the long run.

Mixed methods of combining qualitative and quantitative research are adopted while the whole study is qualitatively emphasized. The research is of exploratory design when quantitative research follows qualitative part. The detailed process is attached below. Till now, interviews with facilitators of the MOOC and survey regarding facilitation in this MOOC for enrolled online learners have been finished. The next step is doing interpretation based on both the qualitative and quantitative research.

research method.png

The MOOC survey to enrolled online learners was conducted in March. With every respondent's kind help, we got 64 responses in around two weeks. Basically, we see online learners express positive feedback towards facilitation from TAs in the MOOC. While on the other hand, the problem of insufficient interaction and the gap between "silent" learner and super-active learner also remain as a distinct problem. In the meantime, the diversity of MOOC online learners and their differed needs also add difficulty to online facilitation.

Quantitative analysis can be a tricky task. While it may be "convenient" to extract conclusions from the data, variables need careful observation for comprehensive analysis. Right now, I am looking into open questions we gathered from learners for more hints.

Finally, hope everyone's having a good start in the great season and I shall also try my best for the thesis. See you next time!

【Qiaochu】

2018.03.01

【教えて!山内研究室】山内研に入るための勉強は?(M2 根本)

M2根本です。
学環の冬入試・学部の前期入試も終わり今年度の入試もほぼ終わりました。

同時に、次年度(2018年夏・冬)以降に進学・受験を考えられている方からの質問も少しずついただくようになりました。今回は入試にスポットを当てながら、山内研のメンバーが入学前後にどんな勉強をしているかをご紹介します。


Q. 学部生の時に学習や教育を専門で学んでいないのですが、大丈夫ですか?
Q. 山内研を受験するにあたり、勉強するべきことなどをまとめたものがあれば(そして公開可能であれば)教えてください。

A. 勉強するための素材は結構あります。それらを使って、学部時代専門だった方もそうでない方も一生懸命勉強されています。


平野さんも書かれていますが、「学際」を謳う学際情報学府には毎年様々な専攻・大学の方が進学してこられます。山内研もそれは同じで、毎年学習・教育を専門で学ばれていない方が進学されます。(私の同期の学部時代の専攻は自分含め心理学・法学・経済学・作曲です。ここまで教育以外の人たちばかりなのも珍しい...?)
しかし、修士論文・博士論文を書き上げた後には結構な量の専門書を読み、学習についてある程度の専門が見に付いた状態になります。つまり入学前・入学後に専門の勉強を(結構?)やることになります。自分の場合を振り返って、どんな感じで勉強してきたかをご紹介してみようと思います。


1-1.入学前
最初に専門の勉強をがっつりやったのは研究計画書作成(出願時に提出)、口頭試問準備(二次試験の発表準備)の時でした。自分が関心あるテーマを決めるために教育学部の授業を他学部聴講したり、関係しそうな教科書を読み込んだりしました。
(以前は一次試験(筆記)の時に用語問題などがありましたが、ここ数年は出題されていません。
 参考:学際情報学府過去問題集

また、山内研の院生が共通して関係する専門には学習環境、教育工学という分野があります。そうした分野の概要にも触れながら、自分のやりたい研究がどのテーマに近いかを調べながら周りにある専門知識の勉強をすると良いと思います。(全部読む必要はありません)

例えばこんな感じでやってみるのはいかがでしょうか...?

①学習環境、教育工学の分野でどんなことが話題になっているのかを知る
 →教育工学選書「教育工学とはどんな学問か」
 →教育工学選書「インフォーマル学習」

②近隣領域である教育心理学・学習科学という分野でどんなことが話題になっているのかを知る
 →教育工学選書「協調学習とCSCL」
 →教育工学選書「学びのデザイン:学習科学」
 →放送大学教材「教育心理学概論」
あたりが参考になります。またY-labの以前のブログや、10年ほど前のBeatプロジェクトのブログにもコンパクトにまとまっています。
 →Y-labブログ以前の記事(2007年頃の記事にも「受験生にお勧めの本」コーナーがあります)
 →Beatプロジェクトメールマガジン Beating

③自分のやりたい分野についてちょっと詳しくなる
 自分が大学院で研究したい分野と近そうな内容を①②で探してみて、関連しそうな参考文献を1~2冊手に取ってみてはいかがでしょうか?「私のやりたいことってこの人の言うこういう感じ?」というのが見つかったら(その「感じ」が適切かどうかは入ってから嫌というほど考えます)しめたものだと思います。各年度の毎年4月には、院生が研究計画を紹介する記事があります。興味のある方はぜひそちらもご覧になってみてください。


1-2.入学後
入学後は自分の研究テーマを決めるのと並行しながら学習・教育の専門的な内容を勉強していくことになります。主には①大学院の授業 ②毎週のゼミ・夏合宿 ③日々の自分の研究の3本立てです。

①大学院の授業
大学院生は学際情報学府の授業はもちろん、他学部や他研究科の授業を受講することができます(もちろん教育学部・教育学研究科も)。また、必要に応じて学部生向けに開講されている授業を受講することも可能です。
こうした授業を必要に応じて受講することで、勉強すべきことの目処が立ちます。
 →東京大学授業カタログ

②毎週のゼミ、夏合宿
山内研では毎週1回ゼミが行われますが、そのうち30~40分程度を使って文献購読の時間があります。毎年洋書のハンドブックなど(例えば、)が指定されてそのうちの一章を読み込み、与えられたテーマに沿ってディスカッションを行います。
指定される文献の基準は「山内研の院生であれば知っておいた方が良い、近年注目が集まっている分野」です。紹介されている参考文献なども合わせて読むと結構勉強になります。
また、夏合宿では全ての院生が学習研究に大きな功績を残した学者(最近はDewey、Vygotsky、Piagetなど)について代表的な著作を読んでレポートするという課題が課せられます。
 →山内研合宿レポート(2017年度)

③日々の自分の研究
特にM1のうちは、「自分の研究を教育・学習研究に位置付けるとどう言えるのか?」に答えるために多くの文献を読み込みます。こうした読み込みの過程で有名な研究や著名な研究者に当たることもしばしばです。


こんな感じで、結局は入る前も入った後も専門的な勉強は続きます...

受験を考えられている方は、ご自身の興味関心に沿って色々な勉強をされていると思います。その際に、今回ご紹介したような内容も考えながら勉強内容を考えてみると良いスタートダッシュが切れるかもしれません!

今回は私個人の場合をご紹介しましたが、人によって勉強の内容・仕方は様々です。研究室に遊びに来ていただければ取り組まれたいテーマを伺いながら色々と経験をお伝えすることもできます。大学院入試説明会(年2回:ブログ内「お知らせ」ページに飛びます)や研究室訪問(随時)など、ぜひお気軽にお越しください!

【根本 紘志】

2018.02.15

【教えて!山内研究室】研究室のモットーって?(D1平野)

D1の平野です。本シリーズも後半になってきまして、いただいた質問の中で残っているのが、なかなか難しい問いばかりになってきました...。

Q: この研究室の研究・教育のモットーは何ですか?

あくまで私の考えですが、少なくともみなさんに共通するのは「『学習』というメガネで事象をみること」と「学際的であること」かな、と思っています。

まず、一つめの「『学習』というメガネで事象をみること」についてです。現在の学生の中でも、ど真ん中で教育・学習をテーマにしている人もいますが、たとえば「趣味」「サマーキャンプ」「博物館」など、ある対象について、それを「学習」というメガネでみることも、そうでないメガネでみることもできるはずです。山内研では、「学習」としてみるからこそ、みえてくることがあるし、関われることがある、とする立場を取ります。学生の研究テーマからもわかるとおり、「学習」とは子どもにだけ、学校でだけ起こっているものではありません。私の場合は、とくに「協調学習・ワークショップ」の知見を使って、おもに大人の「アート鑑賞」という事象にアプローチしようとしています。(一口で「学習」と言いつつ、どの「学習」の理論に乗るかもいろいろあるのですが、今回は割愛します)

二つめの「学際的であること」については、山内研が大学院学際情報学府という組織に属していることもあり、学際的な=学問領域をまたがった研究が歓迎されます。「学習」ということがコアにはありつつも、一つのディシプリンに寄り過ぎず、ある意味では「使えるものは何でも使う」からこそ、新しい研究が生み出せるとも言えるかと思います。たとえば修了生の池尻さんは「歴史」×「学習」×「ゲーム」、ですし、M2花嶋さんは「数学」×「学習」×「アプリ」、私の場合は「アート」×「鑑賞」×「学習」ということになりますね。逆に言うと、どこへ行ってもマージナル、ということでもあります。

Q: 学部生の時に学習や教育を専門で学んでいないのですが、大丈夫ですか?

大丈夫です! 山内研で研究するからには、軸の一つは「学習」ということになるかと思いますが、それ以外の軸は、学生自身が決めていくことになります。上記の質問にも関連しますが、「学際的であること」が研究室のモットーにもありますので、教育や学習を学んでいない、つまり別の軸があることは、ある意味では学生の強みにもなります。

教育や学習について学ぶために、補完的なカリキュラムも用意されています。それが、M2原田さんが触れてくれたゼミでの英語文献の輪読であったり、D1杉山さんが触れてくれたゼミ合宿の仕組みであったりします。研究室の「教育の概要」に以下のような記述があるとおりです。

研究室の大学院生は幼児から社会人まで幅広い対象の学習環境に関する研究を展開しています。また、大学院入学までの経歴も様々で、心理学・教育学・情報工学など幅広い分野から人材が集まっています。
多様な背景を持った学生を支援するため、研究ファシリテータによる学習のサポートや、春合宿・夏合宿を中心とした補完カリキュラムを導入し、毎週のゼミを中心とした教育の仕組みを構築しています。

おそらく、今回の質問についても、学生によって答え方が違うのではと思いますので、機会があればぜひ他の学生にも聞いてみてください。

平野智紀

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