2015.05.31

【今年度の研究計画】オンライン上の学習資源を利用した対面での学びを支援するシステムの開発

皆さま、はじめまして。
M1の原田悠我です。
4月から山内研究室でお世話になっています。

山内研究室の学生になって早くも2ヶ月が過ぎようとしています(恐ろしいことに5月も今日で最後ですね)。私は人を賢くする道具を作りたいと思って山内研究室に入ってきました。九州から来た私にとって東京は様々な面白いイベントが多く、また授業やゼミでは同級生と日々議論するなど充実した日々を過ごしています。いろいろなことに目移りしてしまいますが、大事なことを選び突き詰めていきたいと思います。

ブログのテーマが【今年度の研究計画】ということで、
大学院試験の際に堤出したものを紹介します。



■ 題目
オンライン上の学習資源を利用した 対面での学びを支援するシステムの開発
■ 概要
本研究の目的は、オンライン上の学習資源を利用した学びにおいて、学習者同士が知識や技能を高め合う長期的な学びを支援することである。いつどこにいても利用可能な オンライン上の学習資源は有用である。しかし、オンライン上の学習資源は学習者自身の理解・疑問・疑問に対する 仮説を他者から認識可能な形で整理することが容易でないため、オンライン上の学習資源を利用し学習者同士で理解を深め合う活動を行なうことは難しい。そのためオンライン上の学習資源を利用した学びは、学習者個人の短期的かつ効率的な知識獲得の場となりがちである。そこで本研究では、オンライン上の学習資源を利用した、オフラインでの理解を深める対話を支援するシステムの開発を行なう。
■ 補足
大学院試験の段階では、対話によって互いの理解を深める建設的相互作用を促すことを目標に、システムを提案するところまで具体的に書いていました(ちなみに、システムにはTicketNoteと名前をつけていました)。現在は、もう少し幅広く私の注目する対話の意義について焦点を当ててレビューしています。


私自身、授業とは別に興味のあるオンラインの動画を見つけてきて学習をすることが好きです。しかし、どうしても独りで学習することには限界を感じていました。逆にいうと他の人と話した時に理解が深まる印象を受けています。そのような自分の好きな学習資源を利用し、他の人と学ぶことで、自分ひとりでの学びの限界を越えた学習を支援するシステムを開発したいと考えています。

最後になりますが、今日は大学院の入試説明会でした。お越しいただきました皆さま、ありがとうございました。1年前に緊張と不安を感じながら研究室の紹介を聞きに来たことを思い出しました。山内研のメンバーの研究を他の人に紹介することは、私にとって貴重な経験でした。また様々な背景を持つ受験生の方と議論する楽しい時間を過ごすことができました。受験生の方々は研究計画書の作成や受験勉強など、大変かつ不安な日々をおくられていると思います。体に気を付けて頑張ってください。山内研で待っています。

【原田悠我】

2015.05.21

【今年度の研究計画】心の健康問題を抱える児童生徒の学習支援に関する研究

皆さま、はじめまして。
4月から山内研究室でお世話になっております、M1の長野香織と申します。

他大学の出身の私は、入学から1か月以上経った今でも、赤門をくぐる時には少し緊張してしまいます。しかし同時に、優秀で魅力的な方々が集まっているこの環境で研究ができるということを、素直に嬉しく、そして誇らしく思う毎日です。
さて、ブログのテーマが【今年度の研究計画】ということで、簡単ではありますが、入試の時に提出したものをご紹介します。

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◆題目
「心の健康問題を抱える児童生徒への学習支援に関する研究」

◆概要
近年、心の健康問題が日本全体で問題視されており、不登校になる理由としても「不安などの情緒的混乱」や「無気力」といった心理的な要因が約6割を占める。また不登校の状態にある児童生徒を取り巻く環境として、適応指導教室やフリースクールなどの場所が挙げられるが、それらの場所においては「学習」に対する優先順位が低く、その環境が十分に整えられているとは言い難い。これらの背景から、本研究では、不登校の児童生徒を精神面からも学習面からもサポートできるシステムを提案したい。具体的には、いつでもどこでも利用できるユビキタス環境に着目し、コンピュータで利用可能な心理療法を組み合わせたシステムによる学習効果、および心理的効果を検証することで、新たな学習環境を構築するための提案につなげたいと考える。
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私は学部時代に4年間働いていた塾で何名か不登校の児童生徒を担当したことがあります。不登校の原因は病気や人間関係など様々でしたが、彼らの共通の認識として「学校に行っていない」ということに対する劣等感や不安感がありました。彼らと接していく中で、学校に行くことができなくても、質の高い学習は保障されるべきであり、将来の選択は狭まるべきではないと考えるようになり、不登校状態にある児童生徒を支援する方法に関して研究していきたいという思いにつながりました。

現在は、国内外を問わず、「学校外での学習」・「不登校」について幅広く文献のレビューをしています。まだまだ教育に関する知識は不足していますが、優秀な仲間たちに負けないよう、日々努力精進してまいります。どうぞ2年間、よろしくお願いいたします。

【長野香織】

2015.05.18

【今年度の研究計画】舞台でのパフォーマンスと自己変容に関する研究

みなさま、はじめまして。M1の杉山昂平と申します。学際情報学府、山内研の学生になって早ひと月。学部で先行した社会学との違いにとまどいつつも、新しい世界が開けるようで面白く感じています。ブログテーマが「今年度の研究計画」ということで、現時点での構想をご紹介します。

■ テーマ
舞台でのパフォーマンスと自己変容に関する研究

■ 背景
 文化芸術振興基本法の制定をメルクマールとして、一般市民による芸術文化活動の振興が、政策的にも実践的にも関心を集めています。そのような例として、市民参加型舞台やアートプロジェクトなど、市民と芸術の「新しい関わり方」を模索する動向を挙げることができるでしょう(吉本 2010)。「市民に舞台を提供する」新しい活動は興味深いものである反面、それをどう評価していくのかという問題は、これからの課題と言えます。
 考えてみれば、一般市民による芸術文化活動と言ったとき、アマチュアとして音楽やダンス、演劇を楽しむ人々が、すでにこれまで多く存在してきたことは言うまでもありません。習い事をはじめ、市民オーケストラ、合唱団、バンド、ダンスサークル、舞踊団、市民劇団などで、成人であっても、時間をみつけて活動にはげむ人たちがいます(宮入編 2015)。教育と異なり明示的な目標を置いていないアマチュアの芸術活動は、「楽しめればよい」ものであると批判されることもあります(山本 2007)。一方で、誰にでも参加可能性が開かれているアマチュアの活動は、そこからさまざまな経験ができる場であるはずです。こうした既存の活動を評価するという立場から、芸術文化活動の振興することも可能であるように思われます。

■ 視点
 本研究では、発表会や公演、ライブといった「舞台でのパフォーマンス」に焦点をあて、それがどのような経験として自己変容に関係するのかを探求します。「これらの芸術[舞台芸術]は、練習を積んできたりスキルをもったりした人々の身体的な存在を要求する。彼らのスキルの実演がパフォーマンスである」(Carlson 2007[1996])とされるように、パフォーマンスにおいては、観客に対し、自らの活動を呈示するという点が特徴的です。観客の存在が、不安やあがりをもたらすものであることは、「演奏不安」の問題として、これまで心理学において取り扱われてきました(Wilson and Roland 2002)。しかし、ただプレッシャーがかかるだけならば、私たちが人前でパフォーマンスをすることはないでしょう。そこには、何らかの高揚感や印象深い体験があるはずです。それは「フロー体験」と呼ばれているものかもしれませんし、あるいは、もっと別の言い表し方があるかもしれません。例えば、舞台でのパフォーマンスから「ふだんの自分とは別人になったような感覚」「非日常感覚」を得る人がいることが、いくつかの調査で指摘されています(丸林 1999, Pitts 2004)。本研究の目的は、こうした、活動(パフォーマンス/遊び)と不可分に結びついた自己変容=インフォーマル学習が、どのような環境で、誰にとって起きるのかを明らかにすることです。また、それによって、一般市民の芸術文化活動を評価し、内省していくための視点を提供することを目標としています。

現段階では、演劇や音楽、ダンスなどの舞台芸術活動と、それを通じたインフォーマル学習に関してレビューをしつつ、パフォーマンス研究などの知見も学んでいる段階です。舞台でパフォーマンスすることは、自分にとっての強烈な原体験です。また、学部時代に、地域振興と芸術文化の関わりについて地方自治体と連携して考える経験をし、「舞台の面白さ」をできるだけ多くの人にわかってもらうことが、難しくも重要な課題であると認識したことも、この研究の動機づけになっています。ただ、この記事を書いていても、芸術文化に関する自らのさまざまな思惑が渦巻いていて、筋の通った議論をするのに苦労を覚えました。原点の思いを大事にしながらも、明晰な思考を心掛けていきたいと思います。まずは2年間、どうぞよろしくお願いします。

・Carlson, M. (2007[1996]) What is performance?. Henry Bial ed, The Performance Studies Reader Second Edition, 70-75.
・丸林実千代 (1999) 生涯音楽学習入門. 音楽之友社.
・宮入恭平 編著 (2015) 発表会文化論. 青弓社.
・Pitts, S (2004) 'Everybody wants to be Pavarotti': The experience of music for performers and audience at a Gilbert and Sullivan Festival. Journal of the Royal Musical Association, 129(1): 143-160.
・Wilson, Glenn D. and David Roland (2002) Performance anxiety. 尾山智子, 吉江路子訳 (2011) 演奏不安. In Parncutt, R and G. McPherson (2002) The Science and Psychology of Music Performance. 安達真由美, 小川容子監訳 (2011) 演奏を支える心と科学. 誠信書房 pp. 74-96.
・山本珠美 (2007) 市民参加型舞台芸術に関する序論的考察. 香川大学生涯学習教育研究センター研究報告, 12:29- 50.
・吉本光宏 (2010) 再考、文化政策:拡大する役割と求められるパラダイムシフト. ニッセイ基礎研究所報, 51: 37-116.

【杉山昂平】

2015.05.10

【今年度の研究計画】創作活動を通じた変数の学習を支援するツール教材の開発と評価

みなさま、こんにちは。
M2の松山です。
雨がとても苦手なので、梅雨の到来が憂鬱でならない今日このごろです。
しかし外に出るといろいろな発見があり、研究の刺激にもなるので、できるだけ引きこもらないように頑張りたいと思います。

さて、年度始めのブログは恒例の「今年度の研究計画」ですね。
現時点での研究計画を紹介させていただきます。

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■背景
文部科学省(2014)によると、算数から数学へ学習内容が移る際に、数学学習に対する意識がネガティブになりやすい。 特に、変数に対して苦手意識を感じる生徒が多い(太田 2008)。 Papert(1980)も、変数の概念が子どもの生活環境において個人 的に関連のある事柄として受け入れづらいことを指摘している。
Pepert は、人が何かをつくる過程で知識や概念を主体的に学ぶという、 コンストラクショニスム(構築主義)という学習観を提唱した。
近年のものづくり教育(プログラミングやデザイン活動を通した学習) は、アルゴリズム思考や論理的思考を身につけることを目的としたものが多いが、算数・数学学習と統合した場合の学習効果も認められている(Harel 1991 など)。

■先行研究
デザイン活動を通じた算数・数学の学習を支援した研究に、DigiQuit(Lamberty2008)、curlybot(Frei 2000)、LED Display Kit(Chun 2010)などがある。これらは、数学を使ったり数学について考えたりしなくともデザイン活動を行うことができるため、数学を扱うこと、学ぶことの意義を必ずしも感じられるとは言えない。
また、変数・文字式への移行を支援した研究も多くある(太田 2008 など)。それらの研究は理解を重視した授業改善であり、有用感や意識向上の支援はなされていない。

■目的
小学校高学年を対象に、創作活動を通して、変数を扱うこと・学ぶことへの意欲の向上を支援する教材を開発し、実践を通してその効果を評価する。

■研究方法
複数の変数の関係を記述することで、児童が自分なりの成果物をつくることのできるツール教材を開発する。
小学4年〜6年生を対象にワークショップを実施し評価を行う。
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最近は都内の小学校を訪問して授業に参加させていただいたり、人気のおもちゃの面白さについて自分なりに分析したりして、ツールの内容を少しでも良いものにできるよう模索しています。
同時にロジックを組み直したりレビューの足りない部分を補ったりしなければならないので、かなりハードではありますが、ここが頑張りどころだと感じています。
自分のできなさを痛感してつらいこともありますが、負けずにやり抜きたいと思っています。
今年度もよろしくお願いいたします。


【松山彩香】

2015.05.02

【今年度の研究計画】高校生を対象とした協同学習における知識統合過程に関する研究

こんにちは。すっかり暖かくなってきて、半袖で過ごす方も見かけるようになりました。この連休中は天気が良い日が続くと良いですね。
さて、4月よりお送りしています、ブログテーマは「今年度の研究計画書」です。
大学院に進学した問題関心として、学校教育において、生徒が他者と関わりながら、主体的に学ぶことのできる授業を拡大させたいという思いがありました。教育現場に目を向けると、今までの伝統的な一斉授業の学習スタイルに慣れている先生にとって、新たな学習スタイルを導入することには様々な困難があり、それを乗り越えられるような研究をしたいと考えていました。
現在でも、問題関心の根底は変わっておらず、実際の教育現場にいる先生が活用できるような研究にできたらいいと思っています。
4月初頭に行われました研究構想発表会に提出したアブストラクトをご紹介します。

「高校生を対象とした協同学習における知識統合過程に関する研究」
近年、21世紀型スキルが提唱されるなど、社会において求められる人物像が変化する中、学習のあり方も多様化している。教室における学びにおいても、学習指導要領の改訂やPISA調査の実施などにより、生徒が共通の目標達成を目指し、ともに学ぶ協同学習が注目を集めている。協同学習とは小規模グループを活用する教育の一形態であり、自分と他者の学習を最大限に高める目的において、生徒同士の対話は重要な役割を果たしている。協同学習では、成員同士が学習資源となり多様な意見に触れられるという利点がある一方、対話が断片的な意見のやりとりとなるため、それらを統合し文脈として整理することが難しいという課題があげられる。そこで本研究では、協同学習におけるグループの対話において知識統合を促す方法を検討し評価することを目的とする。


まだ、リサーチクエスチョンも固まっておらず修正が必要な段階ではありますが、1度しかない修士2年間を無駄にしないように、自分のやりたいことは何なのか?を常に考えながら、研究を進めていきたいと思います。

逆瀬川

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