2015.02.27

【1年間を振り返って】和而不同

みなさま、ごきげんいかがですか。
早いもので、春がすぐそこまでやってこようとしていますね。
花粉症なので来週中には病院に行こうと思います。
M1の青木翔子です。

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1年間を振り返って

"この2年間は、こつこつと学び、自分の根をしっかりと深く成長させるということを意識しながら研究を進めたい"

これは、私が昨年の4月に本ブログに書いた目標(思い?)です。
この思いは、1年の時を経てどのように変化したのでしょうか・・・!?
①こつこつ学ぶ、②自分の根を成長させる、という2点にわけて振り返っていきたいと思います。


①こつこつ学ぶための生活リズム
恥ずかしながら学部時代は、毎日こつこつと学ぶというより、参加しているプロジェクトやアルバイトベースの緩急の激しい生活を送っていました。

その生活リズムを、"こつこつ学ぶ"型に変化させようと努めた1年だったように思います。
つい気が抜けると夜型になる生活を、朝方へと徐々にシフトさせ、毎日研究に向き合う時間を忙しくても確保したいなあ、と。

しかしまぁ、習慣をつくる、というのはかなり大変ですね!(苦笑)
一度乱れた生活リズムを整えるには、気合いと工夫が必要ということを学びました。
それでも、今年度は、授業がたくさんありましたので、ある程度の生活リズムをつくることができました。(しかし同時に、課題に追われる日々でもありました。)
M2では、M1のときよりも授業をとる必要性がないので、自力で生活リズムをつかねばなりません。工夫を凝らして、自分にとって心地の良いリズムをつくりながら、研究に向かいたいと思います。その意味で、来年度は、"こつこつ学ぶ"ための良い習慣をブラッシュアップする年にしたいです。

②自分の根を成長させる学習資源
生活リズムの話は、序章、ということで、ここからが本題です(笑)。

・・・自分の果たせる役割は何だろう?
学部時代、専門性や強みとして自信をもてるものもなく、器用貧乏になりかけている(器用でもないが)自分に思い悩んでいた時期がありました。そして、自分の「専門性」を見出し、少しでも根をはりたい!と大学院進学を志し、いまがあります。もちろん、いまも専門性の「せ」の字もないですが、1年間でとても成長したように感じます。

そこで、どのような学習資源(経験や活動)を通して、この1年間学んだのか?について、私なりの視点で、簡単に振り返ってみます。

まずは、毎週のゼミです。
ゼミは、学習資源の宝庫です。ゼミ生の発表資料はもちろんですが、忘れてはならないのが、ディスカッションでの先生・助教の方々、先輩方のコメントです。「なぜあの方はあの発言をしたのか?」と再度自分自身に問うと、その人の知識の深さや研究への視点、着眼点に関する仮説が浮かび上がってきます。(もちろん、まだまだわからないことだらけですが。)そうすると、他のゼミ生へのコメントも、自分の研究に対するコメントへと変換することができ、学びが広がったように思います。

次の大きな学習資源は、論文や本を挙げることができます。
その著作を知識として取り込むのはもちろんですが、論文や本を読むときも、その論文や本の、社会的背景、研究的な位置づけを意識して読むと、「研究」をメタ的に捉えることができます。
そして、ゼミでのディスカッションと同様に、なぜこの著者はこの研究をした、そしてなし得たのか?この研究の着眼点をどのように獲得したのか?と問いながら読むと、さらに楽しく読むことができました。
直接的な論文や本ではありませんが、図書館の論文誌の棚も学習資源として活用していました。どのような論文誌があり、どのような研究がなされているのか?ということは、自分の研究を立ち位置を確認できますし、ピンとくるキーワードに偶然出会えることもあるでしょう。

そして、忘れてはならない学習資源には、インフォーマルな議論やおしゃべりの数々があります。
研究について、研究室の研究室の同期や先輩方とのインフォーマルに様々な議論や雑談をできたことは大変有意義で、たくさんの気づきや学びを得ました。ゼミの研究発表以外の場で、研究に至るまでの個人的な思いや、こだわりに関して互いに話すことで、一人でパンクすることもなく(パンクはしかけたりしてますが)、研究を進めることができましたし、自分でも気づかなかったことを発見させてもらったりしました。

最後に、「学際情報学府」という学習環境としての素晴らしい学習資源がありますね。
学際領域にいることによって、自分自身の研究の立ち位置というものを否が応でも考えることとなりました。授業では、グループワークなども多く、そこでも会話も、それぞれの研究分野の独自性が感じられ刺激的でした。
そして、授業内容も、実践的なものから、基礎的なものまで幅広く学ぶことができました。

自分なりの「根」は、このような豊かな学習資源によって、少しずつ、少しずつ、成長した1年でした。
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ブログのタイトルにもある「和而不同」、読む下しますと、「和して同ぜず」。
その通り、様々な方々と関わり合いながらも、研究を進め、自分なりの「根」を築くことができるよう邁進して参ります。
今年度、お世話になった方々、本当にありがとうございました。
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。

青木翔子

2015.02.22

【2年間を振り返って】雨奇晴好

皆さま、こんにちは。
M2の中村絵里です。
間もなく修士課程の2年間が終わろうとしています。
この4月からは、教育学研究科 教育内容開発コースの博士課程に進学することが決まりました。春からの進路につながる道が開けたのは、修士の2年間があったおかげです。
本ブログを書かせて頂くのは、今回で最後になりますが、改めてこの2年間を振り返ってみたいと思います。

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雨奇晴好。
私にとって、この2年間は、ある意味で天候のように自らの意思ではどうにも変えられないものに逆らうことなく、その天候に合わせて出来ることを精一杯行ってきた2年間でした。

晴れの日は、私にとっては、大学院の授業やゼミに出席したり、ゼミ合宿や学会に参加したり、フィールドに出たりといった研究のために費やすことのできた日々のことです。
一方、雨の日は、片道約2時間バスや電車で通学に費やした時間や、子どもたちが寝静まった後の深夜や早朝の時間のことです。雨の日は、とにかく文献を読んだり、研究経過をまとめたり、課題に取り組んだりといったことに充てていました。

私の場合、晴れと雨以外に、曇りや嵐の日もあり、それは、どうにも身動きが取れずに研究以外に費やす時間でした。

M1の頃は、晴れの日が多かったような気がします。
週に5日は授業やゼミのために、大学に来ていました。授業の課題も多かったので、課題に取り組みながら研究の基礎力を養うことに時間を割いた1年でした。

M2になると、私自身の生活に変化があり、曇りや嵐の日が増えました。
1つには、子どもの小学校のPTA本部役員という親としての仕事が入りました。市内でも特にPTA活動の盛んな小学校であるため、平均すると週に2回以上は、PTA活動のための会議、小学校での印刷作業、自宅での書類作成作業、学校行事などがありました。こちらは、まだ継続中ですが、地域の子どもたちのためと思って、もうしばらく尽力したいと思います。また、夏以降には、週2日仕事を始め、さらに週1日は、研究のカウンターパートとしてご協力頂いたNGOのセーブ・ザ・チルドレンでインターンとして海外事業部の仕事の補佐をしていました。仕事もインターンも、私自身の研究と関連が深かったので、それぞれの活動から学ぶことは多かったと感じています。

M2の1年間での晴れの日は、モンゴルでのフィールド実践と、その後の分析・評価、そして修論執筆でした。私にとって与えられた晴れの日は、日数も時間も限られていましたので、晴れの時にできることを最大限行おうと心掛けました。12月後半に、朝から晩まで修論執筆のために、自宅に籠ることができた日々は、今から思えば最高の晴れ間でした。この時に、子どもたちの世話をしてくれた実家の両親や姉の家族、そして、協力してくれた夫には心から感謝しています。

最後になりましたが、2年間を通してご指導くださった山内先生をはじめ、助教の先生方、研究室の先輩方、同期のみんな、そして後輩たちには、本当にお世話になりました。
山内先生には、研究過程の重要なポイントごとにご助言をいただきました。また、ファシリテーターの伏木田先生は、M1の時に研究知識がほぼゼロだった私に懇切丁寧に指導してくださいました。そして、M2の時のファシリテーターを務めてくださった荒先生は、研究の方向性や実践計画を固めていく上で、多くの時間を割いてアドバイスしてくださいました。この場をかりて、皆さまに心より感謝申し上げます。

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晴れの日も雨の日も、また、曇りの日も嵐の日も、それぞれに美しい景色が見られるように、周囲の環境に惑わされることなく、その時々でできることを最大限に行ったとても充実した2年間でした。

ありがとうございました。

【中村絵里】

2015.02.15

【2年間を振り返って】駑馬十駕


こんにちは。まだまだ寒さが厳しいですね。
「振り返り」シリーズ第3回は、M2の池田がお送りいたします。

振り返るべきこと、反省すべきことは多々ありますが、今回は
現場を見るということ、論文と向き合うことについて、
新しく気づいたことを書いていきたいと思います。

■現場を見るということ

この1年は、私にとって、多くの大学生と会った年だったと思います。
大学生に研究のヒントになりそうなインタビューをさせていただいたり、
ワークショップの参加にご協力いただいたり、
また、TAとして、大学生の授業の様子も見させていただく中で
去年度よりもはるかに多くの大学生とかかわって?きました。

本物の大学生とお話したりするなかで、
普段論文を読んでいるだけでは気づかないような
大学生がどのようなことを考え、日常を過ごしているのかということや
自分が勝手に持っていた仮説が間違っていることなどを知ることができたと思います。

リアルな状況を見る中で気がつくことってたくさんあるんだな。
もっと観察の仕方を学びたいなと思った1年でもありました。


■論文と向き合うこと

今まで論文と向き合うということが私はとてつもなく下手くそでした(現在進行形で苦しんでいますが)。
論文を読んでも、それをどう組み立てて良いかわからず、
論文が自分の血や肉になっていない感がぷんぷんするのです。

この1年、ゼミやファシリテーターの森さんにご指導いただく中で、
そんな、血にも肉にもなっていなかったレビューの作業を
血肉にしていくにはどうしたらよいかということがぼんやり見えてきた気がします。


先行研究は、自分の研究を位置づけるようにまとめないと意味が無い
先行研究との差異はどこにあるのか
なぜ、この研究をする意義があるかということをまとめて道筋を立てる
がんばらないとな。

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さて、こんなあたりまえのことにあらためて気づいたとしでもありましたが
駑馬十駕という言葉を信じて無事修論を書き上げられるようがんばりたいと思います。
次はM2の中村さんです。

2015.02.08

【2年間を振り返って】孟母三遷

こんにちは。山内研修士2年の青木です。
先月末に修士論文口頭試問が終わり、今はずっと先延ばしにしてきた自動車免許の取得のために教習所に通う日々です。同時に、来年度から所属することになる業界について少しでも知識をインプットしようと、隙間を見つけては情報収集をしています...

さて、今年度最後のお題は「振り返り」ということで、修士2年間を振り返ってみたいと思います。

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◯1年目:模索→焦点化
1年目の初めは、「大学院で研究する」ということがどのような活動をすることなのか、正直はっきりとわかっていなかったように思います。様々な領域から学生がやってくるこの学府にとってそれは必然なのかも知れません。とにかくそんな状態なので、その進め方に慣れることに精一杯でした。僕はもともと理工系の研究室に所属していて、指導教員と一対一の相談で研究が進んでいくスタイルに慣れていたこともあり、まずは山内研のようなゼミとファシリテーターとの相談を中心に研究が進むというスタイルを受容することから始まりました。
研究の進め方に慣れてくると、次は自分がやりたい研究は何なのかということを自問自答する日々が続きました。もともと学習について学部時代にあまり(というかほとんど)学んでこなかった自分にとって、日々流れこむ知識は全てが新鮮です。昨日まで考えていたやりたいことが、今日読んだ文献によって揺さぶられるということが多々起きました。そのうち、読んだ文献に引っ張られて自分が何を研究したいのか、わからなくなって混乱してしまう時期もありました。自分の今やっている文献レビューは、果たして自分のやりたい研究につながっているものなのかどうなのか、ということを毎日ぐるぐる考えていました。
1年目の冬、ひと通り土台となる理論や先行研究のレビューを進めてきたころ、実際の現場で学習者にヒアリングをして、自身の研究の関心の領域と照らしあわせて問題点を焦点化する段階に入りました。研究室の諸先輩方のご協力の下、複数の学校で放課後にさまざまな高校生とお話させていただいた結果、実際に高校生の抱えている問題を受けて、今まで調べてきたことに濃淡がついていく感覚を覚えました。もっと掘るべき場所と、切り捨てる場所がなんとなく見えてきたように思い、ここで「自律的な学習」から「学習の計画性」「先延ばし」という研究の軸が見え、研究計画がある程度形になりました。


◯2年目:実装→実践→記述
正直、焦点化した問題はかなり根が深くレビューも不完全な状態だったのですが、自分のとった問題点の解決方法が「システムによる介入」である以上、開発物を作らないことには先に進まないので、夏から秋にかけてはひたすら実装作業に続きました。しかし、学部時代に経験したことのないスケールの開発で、さらにWeb系の使用したことのない言語もあり、その習得が必要だったので、概形が完成するまでにどれほどの時間を要するかなかなか検討がつきませんでした。知り合いのエンジニアの方のご協力も受けながら、付け焼刃的ではあるものの漸進的に進めていった結果、操作性はともかく機能面に関してはなんとか形になりました。
同時に、システムの効果を測定するための評価実験についてもその協力者を検討していたのですが、夏合宿で訪れた隠岐島の方々のご好意によりそこで評価実験をおこなうことになりました。評価実験をおこなう際には、種々の困難もありましたが、結果として非常にリッチなデータが得られる結果となりました。
ここまでの段階で、修士論文提出までは約一ヶ月。かなり時間的にハードなことは目に見えていましたが、とにかく書き進めるということを念頭に置いて残り時間を常に意識しながら「暫定的な完成」を数回経て、修士論文の完成に至りました。


◯満足のいく研究のために
以上、事実をつらつらと書いてみましたが、ここから少し振り返ってみて、もっとこうすればよかったかな、と思うことを書いてみようと思います。

【レビューを加速させるために】
学府の学生はほとんどそうですが、他領域からやってきた人間にとって、新しい領域で学術研究レベルの知識を修得することは非常にハードルが高いと思います。もちろん、入試までにある意味「教科書」的な必読書はある程度読んできましたが、「読み」を加速させるための既有知識量としてはまだ不十分なものだったように思います。今になって思うのですが、最初読むのが辛かったハンドブックが、今ではスムーズに読み進められたりするのは、やはり専門的な用語およびその語が用いられる領域について「出会う」経験を積んだからだと思います。まず初めの時期はそのような「出会う」機会を増やすために、専門書や論文を読む合間に、学部生向け、一般層向けの書籍(新書、有斐閣アルマの赤丸のもの、放送大学テキストなど)を読んでおいてもよかったかな、とも思います。

【とりあえずつくってみる】
教育工学研究では「開発」「実践」を扱う研究が多く、研究室の修士生も僕を含めて多くの方がそれをおこなってきていますが、全てがうまくいく結果に結びつくとは限りません。少しでも期待する結果に結びつけるためには、可能であればまだ早いと思う段階でも何かしらつくってみても良いのかなと思います。もちろん、何事にも「プレ」はすべきだということは各所で言われて来たことではありますが(僕の場合は十分にできませんでしたが)、それよりももっと早い段階で一度かたちにしてみる、また、スキル等の関係で十分につくれなくても、かなり具体的に「つくったものがどのようなものになるのか」について考えておくことは無駄にならないように思います。もちろん、レビューとの優先順位は考えながらですが。

【だれがどうなるべきなのか】
これもあたりまえのことなのですが、対象となる学習者の像をできるだけ具体的にイメージすることが重要だと思います。そのために、研究対象となりそうな方々に会ってお話をすることはもちろん重要ですが、できれば可能な限り多くの幅広い方々とお話をするべきだと思います。やはり時間の問題はありますが、お話をした方の数だけ、文献からは読み取れないような一人ひとりの生活背景やマインドを伺うことができます。そこから常に自身の研究との接続を考えてブラッシュアップしていくことが、より質の高いアウトプットに結びつくのではないでしょうか。


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最後に、総合的に俯瞰して実感したのは、研究は常に暫定解しか出せないということです。
自分にとって新しい発見が生まれる度に、理想のゴールが少しずつ前に移動していき、本当に納得できるものにたどりつくことは難しいことを実感しました。しかし、その暫定解と根気強く向き合っていくことが修士研究を進めていく際の真摯な態度ではないかとも思いました。
別の領域に移動すれば別の領域の慣習があり、その中での学びがあります。いろいろな場所でいろいろな学習者に会えばまた、その中でしか得られない学びがあります。赴いた場所、領域でその都度自身の考えを再構築していくことが、研究自体にとっても僕自身にとっても理想的なものにつながるのかなと思いました。


なんだか長くなりましたので、このあたりで終わります。今春からは社会人として、また新たな領域で精進したいと思います。


青木智寛

2015.02.01

【3年間を振り返って】粒々辛苦

こんにちは.M2の吉川遼です.

一昨日,修論審査を受け終わり,ひとまず肩の荷が下りて心も幾分穏やかになった気がします(まだ修了できるかどうかは分かりませんが...).

さて,今週から7週連続にわたり年度末恒例の「1年を振り返って」というテーマで各学生がこの1年または修士の2年間で感じたこと思ったことをお届けします.第1回は私,吉川遼がこれまでの修士の3年間を振り返ってみようと思います.

■ぐるぐる考え続けた2年間

もともと,僕自身は「学習に役立つシステムが作りたい」という漠然とした願望と,学部時代の卒業研究で扱った「背景情報」をひっさげて学際情報学府に来たのですが,入学後は研究の対象やシステム案が二転三転し,四苦八苦しました(その頃の様子が昔書いたエントリでも見てとれます).

その原因として,僕自身が抱いていた「学び」の像が明確でなかったことや,思考が技術寄りだったことがありました.そのため最初の1年間は「自分の関心はどこにあるのか」「そこでの学びとは一体どのようなものなのか」を自分の中で明確にする作業に費やしました.

正直な所,まとまらない思考に悶々としつつ,論文を出せないんじゃないかと不安に苛まれる日々が続きましたが,1年の終わりに何とか方向性を定め,2年目に入ってからは実際にHMDを使ってコンテンツ開発をしたり,熟達者にインタビューしたりと少しずつ研究が進んでいきました.

結果的には既存のデバイスの制約や僕自身のコンテンツデザインがよくなかったこともあり,ヘッドマウントディスプレイを使ったシステム案は頓挫してしまいましたが,そういった失敗経験を踏まえ,留学中にアアルト大学での授業で色々なものづくり体験を通して,プロトタイピングの手法やインタフェースデザインについて学ぶことができたことは,帰国後の研究活動にとって有益な経験だったと思います(アアルト大学での留学体験記はこちらのエントリにまとめてあります).

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■怒濤の開発・実験・執筆

帰国後もロジックがなかなか定まらず焦りや不安が襲ってきましたが,システムの方向性が決まってからシステムを開発している時は一連の研究活動の中で一番楽しい時間でした.デバイスの制約だったり時間との闘いもあり,僕が理想としていたものを完全には反映させることはできませんでしたが,徐々に形にしていく過程だったり,インタフェースをあれこれ思案して実装して意見をもらったりと幸せな時間を過ごすことができました.

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また,実験に参加いただいた方々をはじめ,ピアノ演奏の熟達者の方からもシステムに対して興味を持っていただいたことも研究のモチベーションとなりました.昨年10月から1月にかけての開発から実験,分析,論文執筆の超過密スケジュールを何とか泳ぎ切ることができたのもこういった周りの方々からのフィードバックがあったお陰だなあ,としみじみ思っています.

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今回修士論文というパッケージで研究をまとめることができたのも,実験の実施にご協力いただいた方々や研究に対しアドバイスいただいた周りの方々あってのことだと痛感しています.


■一つ一つの積み重ね

例えば,地道に先行研究をレビューし対象とする領域の問題点を見つけ出す作業や,実験の手順を細かく設計していく作業など,1つの開発したシステムを論文にまとめるためには様々なステップが求められます.

月並みな感想になってしまいますが,そういった一つ一つの小さな積み重ねが研究を進めていく上では想像以上に大事だということをこの3年間で学びました.研究を論文にまとめ,発表する時になるとどうしてもあちこちに綻びがあることに気づいてしまい,その度に自分自身そういった小さな積み重ねが出来ていなかったなあと今になって反省しきりです.

修士課程の2年間はとても短い,という声をよく聞きます.僕の場合にはもう1年猶予をいただき,3年間この大学院で学んできましたが,研究活動という観点からすれば,それでも短かったというのが正直な感想です.

やり残した事や今になって気づく事は山ほどありますが,きめ細やかに研究活動のファシリテーションをしていただいた山内研究室の研究体制があったからこそ,自分だけでは到底為し得なかった研究を形にすることができたのだと思います.

この3年間でお世話になりました全ての人にこの場をお借りして感謝申し上げます.

拙い文章ではありますが,最後までお付き合いいただきありがとうございました.

吉川遼

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