2014.12.26

【おすすめの授業】フィールドワークの理論と実践

みなさま、こんにちは。
M2の中村絵里です。

クリスマスの昨日は、東京や横浜で小雪が舞ったようですね。
クリスマスが過ぎると、2014年も残すところあと数日。修論の執筆で、季節のイベントどころではない身ではありますが、新年を厳かな気持ちで迎えられるように、残りの数日間を大切に過ごしたいと思います。

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【おすすめの授業】第3回の「学習環境デザイン論」では、池田さんが、大阪にあるThe Lab.の視察について紹介してくれました。

第4回は、学校訪問、授業観察、参与観察など、現場に赴いて行うフィールドワークについて学ぶことのできる授業「フィールドワークの理論と実践」(結城 恵先生)をご紹介したいと思います。

これは、教育学部の授業で、昨年度は冬学期に、本年度は夏学期に開講されていました。他学部・他研究科の授業で履修した単位を、学府の卒業認定単位に含めることができる点は、既に青木くんも紹介してくれたとおりですが、こちらの授業も、質的研究に関して理解を深めることのできる授業として、学府の授業プラスαで履修できるのでおすすめです。

「フィールドワークの理論と実践」では、エスノメソドロジー、すなわち、人、モノ、言葉を介した背後にどのような文化があるのかを読み解いていく方法を、グループワークを通して実践的に学びます。例えば、日本の小学校のある1日の様子を写したビデオを視聴し、その背後にどのようなストーリーがあるのかを、観察した情報と自らの推測を交えながら考察したり、実際にフィールドワークに出向いて、2人以上で話されている会話を聞き取り、その会話を分析したり、また、後半には、フィールドノーツの取り方を学んだりすることができます。

この授業で学んだことは、どんな現場に於いても、自分の目や耳で見聞することや、観察できることを最大限記録に残し、それらを基に自身の感性を研ぎ澄ませながら考察を行うことの大切さです。私は、この授業を履修した後で、研究のフィールドであるモンゴルに2度訪問しました。訪問時には、その場にある物や、その場で起こる事をじっと目に焼き付け、記録に残してきました。実際に帰国してからふりかえる中で、見えてきたことや、わかってきたことが、意外に多いことに驚きました。

質的研究を行わないという人でも、実験や実践をされる方は、実験時の観察方法や、インタビューの解釈の仕方など、さまざまな場面で役立つ手法を学ぶことができるおすすめの授業です。

みなさま、良いお年をお迎えください。

【中村絵里】

2014.12.19

【おすすめの授業】学習環境デザイン論


みなさんこんにちは。M2の池田です。おすすめの授業第3回目の今日は、我らが山内先生の「学習環境デザイン論」という授業について紹介させて頂こうと思います。

学習環境デザイン論は、学際情報学府で冬学期に開講されている授業です。
この授業では、前半により良い学びの場をデザインする上で重要な知識について、インプットし、後半は、そのインプットした知見をもとに実在する学習環境を改善する企画立案を行います。

具体的に話すと、前半では、空間・活動・共同体という視点について、具体的な事例の検討と背景にある理論を学びます。去年度はそれぞれ以下のような、事例と理論についてグループでまとめて発表を行いました。

活動  事例→CAMPクリケットワークショップ
    理論→フロー理論
    理論について触れている過去のylab記事

共同体 事例→Socla
    理論→実践共同体
    理論について触れている過去のylab記事

活動  事例→学環コモンズ
    理論→シグ二ファイア
    理論について触れている過去のylab記事

後半では、これまたグループで、実際に学習環境のデザインを体験しました。
私が履修した去年度の授業では、大阪にあるナレッジキャピタルさんのThe Labを舞台に、"5年後の新しいThe Labを構想する"というテーマで企画立案を行いました。

実際に大阪に視察に行き、コミュニケーターという現地のスタッフの方にフロアを案内してもらい
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それをもとに、グループで現状の課題などを考え、企画立案を作成し、本番は企画案を山内先生と、株式会社スーパーステーションの社長に向けプレゼンし、講評ををいただきました。


人々の交流や学習を促す、理論についてしっかり学んだ後にそれを応用し、実際により良い学びのおきる空間を考える機会があって、とっても面白かったなー。
活動や共同体の理論などは実際に自分が所属するコミュニティや活動などの改善を行う上でも活かしていきたいとおもいました。
次回の授業紹介はM2の中村さんです。


池田めぐみ

2014.12.12

【おすすめの授業】コミュニケーションにおける意図の理解

みなさま、こんにちは。山内研究室修士2年の青木です。

私は今、修士研究の評価実験の一環で訪れていた島根県隠岐島の海士町から東京に帰って来て、今はその分析と全体的な論文の執筆に追われている毎日です。
修士課程の集大成ということで、自分のおこなってきたことをきちんと記述することができるように、毎日一歩ずつ確実に進めていきたいと思います。

さて、早いもので今年も残すところあと2週間となりました。
1年が過ぎるのはあっという間、光陰矢のごとしとは言いますが、僕にとってこの1年間はなかなか濃密な1年だったように思います。また、今年度の振り返り回に、まとめてお話できればと思っています。

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今回のブログテーマは「おすすめの授業」ということですが、第2回は僕が去年受講した、教育学部の「コミュニケーションにおける意図の理解」という授業について少しだけご紹介しようと思います。

「思ったとおりに伝わらない...」という経験は、誰もが経験する出来事だと思うのですが(僕自身、毎日悩んでいます)、なぜ思ったことがその通りに伝わらないのか、意図を形成する要素にはどのようなものがあるのかということについて、認知、発達や障害の観点から多角的に考える授業でした。授業は講義、ディスカッションが2日間と、指定された関連研究の論文発表が1日の3日間構成でした。
この授業は教育学部の冬学期開講の集中授業だったのですが、僕のように他学科からの受講生も多く、さらに受講生はそれぞれにコミュニケーションと意図の形成についてなんらかの意見を持った方が多く、ディスカッションの際は活発な議論が行われていたように思います。

ディスカッションも印象に残っているのですが、個人的に印象深かったのは、「サリーとアンの課題(Sally-Anne test)」を、実際に幼児を対象にして行った実験の映像を見ることができたことです。サリーとアンの課題については、発達心理学における誤信念課題の代表例として、以前から教科書的に知識として知っていたのですが、実際に課題を正解できる子とできない子の様子を見ることができて、研究の妥当性・有効性を改めて感じることが出来ました。

また、最終日の発表では、語用障害(他人の感覚・思考を推測する能力)に関する論文を紹介しました。内容は、ASD(自閉症スペクトラム障害)患者に対して強制やイントネーションなどを変更して数種類の実験を行った結果に関するものだったのですが、普段、自分の研究として調べている領域ではあまり触れることのない論文を読むことができ、学習における障害・発達という、自分の中で新たな視点が得られたように思います。

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僕は、システム開発系の研究をすすめて来たのですが、振り返ってみるとテクノロジー系の授業をあまり受講していなかったように思います。特に意識はしていなかったのですが、結果としてそうなったのは、もしかしたら学部時代を情報工学系で過ごしてきたことの反動なのかもしれません。結果、上に紹介した授業を含め、新たな学術領域での授業を受講できたことは、自分にとって非常に新鮮な学びとなったように思います。
(ちなみに、学際情報学府の学生は、他学部の授業も卒業に必要な単位として含めることができます(上限あり)。学際的な研究をする上で、非常にありがたい制度ですね。)

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さて、来週は第3回、M2の池田さんが担当します。お楽しみに。

体調を崩しやすい時期ですので、皆様どうぞご自愛下さいませ。
少し早いですが、良いお年を。


青木智寛

2014.12.08

【おすすめの授業】デジタルミュージアム展示論と総合分析情報学特論

こんにちは,M2の吉川遼です.

朝晩の冷え込みも厳しくなり,いっそう冬の訪れを感じられるようになってまいりました.
東大の銀杏もすっかり色づき,通りがかる人が足を止めてカメラを取り出す姿もたびたび見かけます.
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冬本番ということは,今年も残り僅か,ということでもあります.1月の論文提出にむけて着々と準備を進め,少しでもよい研究にすることができればと思います.

さて,今回からの研究室ブログのテーマは「おすすめの授業」ということで,今週より7週にわたって,各ゼミ生がこれまで受講してきた授業の中からオススメの授業をについて各自の視点から紹介してまいります.

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修士課程は基本的に2年間で修了することが多いのですが,2年目は自分の研究や実践,学会発表などの準備に追われるため,1年目に多く履修しておき,2年目の研究用の時間を確保しておく...という人が多い印象を受けます.

僕自身,1年目に自分の興味関心に近い面白そうな授業を多く履修したので,そこでのプロジェクトや講義内容に影響を受け,自分の研究に還元できた内容も数多くありました.

例えば,入学当初は博物館での展示物学習に関心があったので,東京都現代美術館学芸員の森山朋絵先生が開講されていた「デジタルミュージアム展示論」を受講し,国内外のメディアアート作品の変遷や動向について見識を深めました.

この授業では,森山先生がメディアアート作品や展示方法について厖大な事例を紹介してくださったのですが,その中で印象に残ったのがメディアアーティストの八谷和彦さんが1993年に発表した「視聴覚交換マシン」でした.

「視聴覚交換マシン」は96年にアルスエレクトロニカでも展示されていたので,御存知の方も多いかと思いますが,このデバイスを装着することで相手と視聴覚を「交換」することができる,というものです.

この「感覚を交換する」というコンセプトが僕にとっては非常に衝撃的でした.授業履修後もしばらくは研究テーマが二転三転し,悶々としていたのですが,1年目も終わりに差し掛かった2012年の1月辺りから「熟達者の追体験」に研究の方向性が固まりはじめ,「どのように感覚や体験を共有出来るか?」という時に「視点の共有」「聴覚の共有」といったキーワードが浮かんできました.

「感覚の共有」に関心を持つようになったもう1つのきっかけは,1年目の後期に履修した「総合分析情報学特論XII」でした.
この授業は暦本純一先生が開講されていた授業で,各回にゲスト講師がそれぞれ講義を行う形式でした.

僕が受講していた時は,takramの田川欣哉さんや,電気通信大学の梶本裕之先生などが講義をされていましたが,田川さんはプロトタイピングメソッドを使うことによるプロダクトデザインの進め方だったり,梶本先生は触覚を用いた視触覚クロスモーダル現象な体験の生み出し方についてとても興味深い事例を紹介されていました.

また,この授業の後半では,受講している学生がテクノロジを用いた新しいシステムやサービスをプレゼンしていたのですが,みなさん独創的かつフィージビリティの高いアイデアばかりでとても刺激的でした.

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こうして振り返ってみると,僕の場合はメディアデザインやテクノロジ利用に関する授業を多く取ることが,自分の研究にとっての多様なインプットとして機能していたように思えます.

当時は授業とグループワーク,研究でいっぱいいっぱいではありましたが,もう少し教育関連の授業も取っておけばよかったなあ,と少し後悔もしています.

次回はM2の青木くんです.どんな授業を紹介してくれるのでしょうか.お楽しみに.

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