2013.08.29

【突撃OB・OGインタビュー】中杉啓秋さん

こんにちは,M2の吉川遼です.

山内研のOB・OGインタビュー,第3回目は中杉啓秋(なかすぎ・ひろあき)さんにお話を伺います.

中杉さんは山内研究室の第一期生で、在学中はヘッドマウントディスプレイを活用した歴史学習システム"Past Viewer"を開発され,新しい学習体験を生み出しました.IT mediaによる当時の取材記事はこちらです.
また現在は働く傍ら,情報学環教育部の「情報産業論」の講師も務めていらっしゃいます.

現在,僕自身もヘッドマウントディスプレイを使った新しい音楽学習体験を生み出そうと研究を進めている中で,研究室の先輩でもある中杉さんの研究を参考にさせて頂いていた部分も多く,Past Viewerの制作に至った経緯などを知ることができたらと思い,今回中杉さんにインタビューさせて頂きました.


----------

●自分の動機と教育とのかけ算

―Past Viewerの研究に至った経緯は

もともとはドキュメンタリーや映像制作をやりたいと思っていました.山内研究室は学習とか教育を研究しているところなので,それらを繋げる接点はどこか,というのを考えていたらPast Viewerという形になりました.

研究するからには今までにあるようなテレビ番組を作りたい訳ではなくて,何か新しいメディアの仕組みやコンテンツ,メディア体験といってもいいと思いますが,そういったものを作りたいと考えていました.思いつきレベルかもしれませんが,過去を見ることができたら面白いなと思い「歴史メガネ」を作ろうと思ったのがきっかけです.

研究テーマが決まれば,あとはやるだけなのですが,ここに行き着くまでに山内先生とずっとグダグダと話し合い...,テーマ決めには苦労しました.

もちろん入学時に研究テーマを持っていて,研究計画書も提出するわけですが,そのままそれをやっていいと言われる人はほとんどいません.恐らく色々な先生からの意見でかなり揺れるし,変わると思いますが,僕の場合は自分のやりたいこと,もともと映像を作って人の心を動かしたい,という動機と教育のかけ算をしたところ,これでいけるかな,と思えました.当時キーワードとなっていた「マルチメディア学習」を中心に国内外様々な先行研究を調べ,マルチメディア教材の実物を見に行ったり...,と泥臭いリサーチ作業を経て研究テーマを決めました.

やはり動機が重要というか,結局自分がやりたいことじゃないとなかなか前進しないですよね.僕の場合一期生だったので先輩はいませんでしたが,周りを見るとテーマ決めで一年以上先生にダメ出しされて,ぼろぼろになっている後輩もいたので,やはり自分の動機を見つけて,かけ算をすることで新しい組合せを見つけていくことが重要なのかな,と思います.


●新しいメディア体験を生み出す

―開発する際に苦労した点は

HMDを借り,地道に実験をしていました.当時はiPadのようなタブレット端末もなかったので,ノートPCとHMDを繋いでみて,情報を現実空間に重ね合わせてみるとどんな風に見えるのかな,という素朴な探求心で一歩前進して一歩後退しながら開発を進めていました.例えばパワーポイントで黒い背景に文字だけ配置したスライドをHMDで見ると文字だけ浮かび上がって見えてくるのですが,「面白いなこの感覚」と思っていました.

―その後,かなり幅広い層の方に向けて実験をされていましたが,その際の体験者の変化についてどう感じましたか

たまたま東大は場所が近く,色々な資料が残っていることもあり,写真などを新聞社やNHKに行って貸してもらい,それをHMDを使って重ね合わせてみると,浮かび上がって見えてくるように感じました.古地図を見る感覚と同じで,建物のように時間が経っても変わらないものに当時の輪郭を重ね合わせると,浮かび上がって見えてきて,あたかもそこにタイムスリップしたかのようなメディア体験が得られる.その場にいるからこそ感じられるという,五感を使ったメディア体験はテレビを見ている時との感覚とも違う,新しいものだと感じ,それを検証しようと考えました.

やはり制作をする上でも参考になる先行研究のレビューが結構重要で,当時海外のメディアアーティストで広島の原爆ドームにプロジェクションマッピングをする人がいました.その方はすごく大きなプロジェクタを使って原爆ドームに被災者の声を影絵と共に投影していました.その場で,体験者の声を聴くという,エモーショナルな体験ができる...,自分がやりたいことはそれに近いのかなと思い,そういったアーティストの作品も参考にしながら研究を進めていました.


●食わず嫌いにならずに経験を拡げていく

意外と重要なのが,自分とは全然関係のない領域です.興味が無いものでも,やってみると意外と面白い出会いがあったりします.

どうしても大学院に入ると「専門,専門」になりがちだと思いますが,食わず嫌いにならずに興味のないものでも食べてみると意外と美味しい,ということもあります.それはその人の経験を拡げる可能性があるので,色んなものを食べてみたらいいのではないかと思います.

山内先生も今までWeb-based learningからワークショップまで,様々な研究をされていますし,「○○の専門家です」と閉じない方がきっといいのではないでしょうか.

―専門に閉じない,という話もありましたが,今所属している院生にアドバイスがあればお願いします

どうしても大学院の場合,限られた学会や研究室の中など,どうしても住む世界が狭くなりがちになるので,自分が考えている研究テーマを色んな人にアドバイスを求めてみた方が拡がるのではないかと思います.どこでその拡がりが生まれるか,なんていうことは分からないので,色々な人に自分の考えているテーマや動機を話し,コメントやアドバイスをもらったりするといいと思います.


----------

中杉さんのお話を伺う中で,専門に閉じず,様々な領域の様々な人に触れる,という話が印象的でした.
普段大学で過ごしていると,知らず知らずのうちに視野が狭まっていることもありますが,普段から幅広い分野に触れて研究を進めていくことで,自然とよい方向へと向かっていくことができるのかな,と感じました.

中杉さん,インタビューにお応え頂きありがとうございました.

吉川遼

2013.08.26

【突撃OB・OGインタビュー】平野智紀さん(内田洋行教育総合研究所)

こんにちは、M2の吉川久美子です。
先週からはじまりました山内研ブログ初企画、【突撃OB・OGインタビュー】。
第2回目を担当させていただきます。


第2回目となる今回は、平野智紀さん(2007年度修了)にインタビューさせていただきました。学生時代は「ミュージアムにおけるリテラシー概念の意義と領域越境に関する研究」というテーマで研究に取り組まれ、現在は、内田洋行教育総合研究所で働きながら、経営学習研究所の理事や京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センターの嘱託研究員をされています。お仕事をされながら、大学院生時代からの関心事である美術館の学びに関わり続けることは、なかなか簡単なことではないと思い、今回お話をお伺いさせていただきました。


==============

Q.現在のお仕事内容について教えてください。

 内田洋行教育総合研究所というところで働いています。官公庁や自治体からの受託研究を請け負ったり、教育環境を支援し、評価し報告書にまとめたりする仕事をしている企業内研究所です。今は、教育関係の大規模な調査に関する仕事をしていて、お客さんからの要望をお聞きしてそれをどうやって業務として実装していくかという調整などを行っています。入社して3年目までは調査に関する集計システムの開発をしていました。システム開発は大学院時代にしていなかったので、会社に入ってから一から勉強しましたが、僕のコアはシステム開発ではないと思い、今は調査の中身に関わる仕事をするようになりました。


Q.現在の研究活動について教えてください。

 研究活動をしているという認識はなくて、普通の人が余暇にサーフィンやゴルフをしているような感覚で、仕事以外の時間をどういう風に使うかと考えた時に、大学院の時から関心のある、美術館に関わることをしたいと思ったんです。そこで京都造形芸術大学にたどり着き、対話型鑑賞に出会いました。もちろんアメリア・アレナスとか、書かれたものとしては知っていたけど、実際に触れてこれはすごいと思って。そこからまれ美(シェアハウスやイベントスペースで、対話型鑑賞など新しいアートの楽しみ方を提案する研究会)の活動を始めました。ナビゲーター(作品と鑑賞者をつなぐ声かけなどを行う役割)をしてみたいという気持ちがあって、それだったら練習がてらシェアハウス「まれびとハウス」を使ってくださいと言われて。それなら「まれびとハウス」を美術館にしてしまうというイメージで、まれびと美術館、「まれ美」とその時のイベントを名付けたのが始まりです。
 京都造形芸術大学は、博物館研究でお世話になっていた方に紹介をしてもらったのがきっかけで、去年から研究員の嘱託という形で、会社の仕事として派遣してもらえるようになりました。これまでのプライベートが仕事にもつながってきたのかなという感じ。授業への参与観察をしつつレポートを執筆するので、京都に一番行っていた時期は、週1回行っていた時もありました。
 MALLの理事になったきっかけは、大学院生のときから代表理事の中原先生のイベントのお手伝いをしていて、関わりがあったということもありますし、僕が就職をしてから「まれ美」をはじめ、いろんなかたちでイベントをするようになって、その時に、自分たちが何者なのかを表すものがないということがネックになったことがあったんです。たとえば、毎回のイベントのお金を持ち越せないとか、領収書の発行者名をどうするかとか。それで、外向けに活動する時に受け皿になる箱が欲しいなと思って、そういう団体をたちあげようかと話していた時に、中原先生に声をかけてもらったんですね。MALLの理事は8人いて、それぞれラボを持って自分たちのイベントをしています。実務家と研究者をつなぐ組織なので、会社勤めの人も理事にいます。


Q働きながら美術館の学びに関わり続ける、モチベーションは何ですか?

 改めて聞かれると・・・なんだろう。でも単純に面白いと思っている事をしています。「まれ美」で、作品を鑑賞していろんな人がいろんなことをいうのは面白い。僕が選んできたその作品についてどんな話が出てくるのか毎回違って、その人となりがなんとなくわかる気がするし、鑑賞するということ自体が単純に楽しいと思っています。ちょっと偉そうかもしれないけど、僕のスタイル、僕にしかできないイベントではないかとも思っているかも。スタイルというのは、対話型鑑賞自体の進め方もそうだし、鑑賞イベントをまれ美というかたちでパッケージングすることもそう。美術館のギャラリートークをするのとは違うことをしたい、学校の教室で対話型鑑賞するというのとも違うことをしたいと思っています。


Q大学院での生活は、どのように現在のお仕事や研究活動に活きていらっしゃいますか?

 仕事の中身というよりは、人とのつながりが大学院で出来たのかなと思う。会社で中原研究室やMALLのイベントをやらせてもらったりすることが結構あったのだけど、これって内田洋行から中原先生にお願いしてもなかなか実現しないことだと思います。仕事で国の受託研究とか自治体と関わることがある中で、教育の情報化に関わりの深い会社でもあるから、教育工学とのつながりも近い。大学院で知り合った人たちが、そのまま仕事のつながりにもいきているっていうことがあるのかなと思います。


Q研究する上でのアドバイスをお願いします!

 1つの研究で出来ることは意外と小さいということ。壮大な関心を持って大学院に入って、いろいろと打ちのめされて今があるかもしれないですが、研究では個別具体的な事象しか扱えません。でもそういった個別具体的なものを壮大な問題関心から見てどう捉えられるかを考える。ちょっと前に、中原先生が博論の話でU字の旅だと言っていました。高みの世界から個別具体的な世界に降りてきて、もう一度、高みの世界に位置づけると。RQを立てるために、自分のこだわりをひたすらリストアップしてみるといいと思います。僕なら美術館はこういう場所だというリストを挙げていって、どこまで削ったら嫌になるかということをしてみる。ここを削ったら嫌だと思うところが、コアなところなのではないかと思います。研究でできるのは1つの変数を変えることしかできないので。何かを削ったり別の何かをぶつけたりした時に嫌だと思ったら、そこに何かがあるということだと思います。


=================

 平野さんとは個人的に美術に関する学びに関心を持っているという点で、日頃からお世話になっていましたが、今回のインタビューで改めてこれまでの活動やこだわりについてお話を伺える機会を持つことができました。その中で、「単純に面白いと思っている事を続けている」、「どこまで削ったら嫌になるかを考えてみる」とお話されていたのが印象に残っています。自分が好きなこと、面白いと思うことがあってこそ、研究や活動が続けられるのではないかと感じました。しかし、大事にしていきたいと思うのですが、意外と自分が思っていたよりも好きなことの正体が漠然としていて、個別具体的に見えずに悩むこともあります。そんな時に「これが無くなってしまったら嫌だ」と感じる気持ちが、実は自分のこだわりを一番よく教えてくれるのではないかと思いました。
 お忙しいところ、お仕事帰りにインタビューに応じてくださり、本当にありがとうございました!


【吉川久美子】

2013.08.15

【突撃OB・OGインタビュー】佐藤朝美さん(東海学院大学子ども発達学科 専任講師)

こんにちは、M2の梶浦美咲です。

今週から山内研ブログ史上初企画、【突撃OB・OGインタビュー】がスタートします!
研究室メンバーが実際にインタビューをし、山内研究室出身者の方々の現在にせまってみようと思います。
OB・OGさん方は現在何をされているのでしょうか?

早速、第1回目は2005年4月~2009年3月まで山内研究室に在籍されていた佐藤朝美さん(Web: http://e-sato.net/tomo/)へインタビューをしましたので、ご紹介したいと思います!

佐藤朝美さんは、2009年5月~東京大学大学院情報学環の助教、特任助教と歴任し、現在は東海学院大学子ども発達学科の専任講師をされています。学生時代の研究テーマは「幼児の物語行為を支援する学習システムの開発」であり、元々お勤めされていたIT企業で培った技術力で幼児向け学習システムを開発されていたそうです。

以前、山内研究室に在籍されていた頃に佐藤朝美さんが執筆されたブログ記事も参考にしつつ、インタビューしてみました。

===

Q. 現在、東海学院大学で子ども発達学科の専任講師をされているようですが、具体的にどのようなことをされているのですか?

就任してまだ3ヶ月ですが、現在ここでは「教育方法論」「子ども学フィールドワークI,II」「子ども学実践演習I,II」「子ども学研究法」「子ども発達演習」「子ども文化演習」「子育て支援演習」「子ども発達演習」といった授業を担当しています。

「子ども発達演習」では、実際に東海学院大学の図書館にある「えほんの森」で学生が子ども相手に読み聞かせをするようなことをやっています。授業で絵本や読み聞かせについて学んだ後に、実際に読み聞かせを実践する授業なんです。

「子ども学実践演習II」では、地域の人たちに公開している「あそびの森」というお部屋で、学生たちが考えた活動を子ども相手に実践しています。近所の人たちや子連れの人たちが沢山集まります。まるでワークショップのような感じなんですよ。

もちろん、理論的なことも学ぶのですが、この学科では実践的に学べることがウリの1つなので、授業では活動のデザインや読み聞かせを行ったり、幼稚園や児童館等のフィールドへ出かけたりして、子どもや家族と沢山関わることを大切にしています。実践した後にはしっかりリフレクションもします。小学校教諭や幼稚園教諭、保育士を目指している学生とともに、子どものことについて考えていく現在の仕事は本当に楽しく、就職できて良かったと思っています。

Q. なぜこの道を選んだのでしょうか?

昔から研究者になりたいと思っていたわけではなく、自分のやりたいことをつきつめていった結果、大学の教員になったような気がします。やりたいことをしていたらこの道が拓けてきたんです。

私は大学を卒業してすぐコンピュータの会社でSEになり、その後、メディアアーティストになりたい(笑)と思い、武蔵野美術大学に入りました。「幼児を取り巻くメディア環境」について考え始めたのは、SEをやっていたことと、子どもを産んでいたことがきっかけです。子ども向けのメディアにはどのようなものがあるのか、またモノ作りをしたい、と思ったんです。

武蔵野美術大学では、子ども向けのデジタルコンテンツを作る機会がありました。開発したデジタルコンテンツを子どもたちが楽しんでくれて、その子どもたちの中で何が起こっているのか、教育的効果が知りたくなり、山内研究室に入りました。そして、それをつきつめていく上で研究者という立場へと進んでいきました。まだまだ研究者と呼ばれるには早い感じですが、今ではこの道に進めたことをとてもありがたいと思っています。

Q. 大学院では「幼児の物語行為を支援する学習システムの開発」というテーマで研究をされていたようですが、それが現在のお仕事にどのように活きてきているのですか?

幼児の発達について研究してきたので、現在教えている授業では、それが生きてきていると思います。物語行為という研究テーマがダイレクトにきいてはいませんが、修士での研究は、研究の作法を学べた良い機会だったと思います。山内研究室での研究活動が今の自分を支えています。

私は社会人から大学院へ入学したので、当初研究の方法論が分かりませんでした。しかし、一通り修士論文としてまとめたことで、ようやく研究とは何かが理解でき、博士課程の次の研究にもつながりました。

学習環境が整っている研究室で、研究計画の立て方や先行研究の集め方、テーマの絞り方、実験方法、評価方法など研究の流れをとてもよく学ぶことができました。プロジェクトで携わっている研究もこれまでの研究経験がとても役立っています。なんといっても、これらの研究論文のおかげで就職できたわけです!

Q. キャリアを築く上で大変だったことはありますか?

キャリアといわれると恥ずかしいですが...(笑)。家庭を持っている、ということで周囲の人に協力を要請してしまった点です。

家庭をもちながら研究をする上で周囲の人に迷惑をかけてきました。息子はもちろん、母にも手伝ってもらいました。夫も結婚当初は私が大学で働くことになるなんて考えたこともなかったと思いますが文句を言わずに協力してくれています。周囲を巻き込んでしまっている点で申し訳ないです。が、その分泣き言を言わずに頑張らねばと思います。

私は以前、SEとして働いていましたが、システム納品前などは徹夜勤務などもあり、子育てとの両立を諦め退職しました。大学教員はフレキシブルで働きやすくはあるのですが、それでも周囲の協力を得ながら何とかこなしてます。日々、働けることに感謝しています。

Q. 研究者を目指す上で工夫されたことはありますか?

博士課程に進学するか山内先生に相談した際に、山内先生が私の研究テーマに対し、幼児や子どもを対象としたものは、流行が来たり脚光を浴びたりしないだろうが、絶対に必要なジャンルだと言ってくださって、それはとてもありがたい事でしたし、大事なことだと思いました。

面白い!と言われるものでなくても、自分が大切だと考え、さらに社会的ニーズがあれば、みんなが手を出さないことに手を出し、研究していこうと思います。

今は研究として扱いにくいだろう「家族」に踏み込もうとしています。親子や母子や家族というテーマに社会的ニーズがあるはずですが、教育工学的なアプローチはあまり行われていないため、チャレンジしたいと思っています。文科省の方針をはじめ、国内外のWebを見たり、ベネッセ等の企業の取り組みをチェックしたり、ママ友との情報交換から社会的ニーズを考えます。最近では幼児教育の大学の先生のFBや絵本作家さんのTwitter等の情報からも沢山刺激をもらってます。また、学会や研究会、シンポジウムやセミナーでお会いする方々、さらには現職場で出会った先生方も含め、出会いを大切にすることが次の素敵な機会(チャンス)につながっていくと考えています。

Q. 最後に、研究する上でアドバイスがあればお願いします!

山内研究室にいて、学生はみんな最初からやりたいことを持って入ってきてはいるのですが、色々とアドバイスを受けると、段々と自分が何をやりたかったのか分からなくなっていってしまう姿をよく見かけました。そのような人たちに対して、他の人たちからのアドバイスはアドバイスとして受け取っておき、こだわりたい部分は捨てずに死守して欲しいと思います。

また、テーマが拡がりすぎて、うまく研究にできない人もよくみます。できることは限られるので、そぎ落として譲れない部分をしっかり見つけて、それを研究にすると良いと思います。

そうやって試行錯誤しながらも山内研究室ではみなさん面白い研究をしてますよね!?今年はどんな修論が生まれるのでしょうか?岐阜の山の中にいても、みなさんの様子がSNSを通じて垣間見れるこの時代ってありがたいです!私自身も山内研の後輩たちから刺激をもらって切磋琢磨していきたいです。

===

インタビューをして、佐藤さんの「やりたいことをしていたらこの道が拓けてきた」というお話がとても印象に残りました。やりたいことがあったとしても、その夢を実現するのはとても難しいことだと思います。日々の努力と行動力、そして夢を手助けしてくれるような人との出会いが大切だと思いました。
また、今後私自身も自分の譲れない部分をしっかり見定めて、それを研究成果として形にして修了していけたら、と思いました。

インタビューに協力して下さった佐藤朝美さん、ありがとうございました!!

梶浦美咲

2013.08.09

【山内研夏合宿密着レポート】


天気予報に表示され続ける、30度オーバーの日々、、、
夏との戦いは厳しいですね。
山内研M1一同でございます。

さて、私達山内研究室のメンバーは、
8月6日、7日
伊豆長岡に夏合宿に行ってきました!!

そこで、今回の記事では、"山内研夏合宿密着レポート"と題しまして、
山内研の夏合宿についてレポートさせて頂きたいと思います!!


偉人について学ぶ!わくわく学習プログラム


夏合宿のメインイベントといればこちら!「学習プログラム」です!!
学習プログラムでは、毎回、偉大な学者についてとりあげ、レビューなどを行っています。


今回の合宿では、M1は古典としてピアジェ、デューイ、ヴィゴツキーを、
それぞれ、発達段階説、経験学習の理論、最近接発達領域を中心にレビューしました。

M2と博士課程のみなさんは、これらの学者の理論に影響を受けた学者として、波多野誼余夫、松下良平、佐伯胖をレビューし、その後ディスカッションも行いました!!

▼発表を聞いているみなさんの様子
スクリーンショット(2013-08-08 19.59.42).png

うーーん。実に真剣ですね!


▼スライドも大変こっています!

スクリーンショット(2013-08-09 11.54.39).png

発表後は、

発表した学者から2名の学者を選び、その2人と自分の研究との関連性をまとめるワークを行いました。


スクリーンショット(2013-08-08 22.46.05).png


デューイを選んだ人が多いですね!

著名な教育学者をより深く立体的に捉えられる機会となりました!


夜は花火もしました!

▼火をつけて
スクリーンショット(2013-08-09 13.26.33).png
▼あらきれい!
スクリーンショット(2013-08-09 13.29.39).png
▼先生も嬉しそうです!
スクリーンショット(2013-08-09 13.31.47).png


研究人生グラフー研究人生からまなぶー

合宿2日目は山内先生と助教の方々から

それぞれ作成して頂いた研究人生グラフの発表がありました!


▼発表中の山内先生
スクリーンショット(2013-08-09 14.07.56).png

研究者になろうと思ったきっかけや
研究がうまくいく為にやっている意外な工夫などについてお話していただきました。

ちなみに、先生と助教の方々が考える研究者に向いている人の要素は

・メタ的にものごとを捉える視点
・知的好奇心
・人と違うことがきにならないこと
・普通の人がやめるタイミングでやめずに地道に続けられること
・自分のこだわりを形にできる力
‥ということでした(´▽`)ノ


明日から活かしていきたいことや、今後のためになるお話に院生一同大満足です!


_____________________________


院生の学習プログラムに、先生、助教の方々のお話で
夏合宿も無事終了!と見せかけて
夏合宿はもう少し続きます!!

そう!!折角伊豆まできたのだから、観光しなくては!ですよね!


ということで、
宿をチェックアウトした後は"伊豆の国パノラマパーク"に行ってきました!

▼ロープウェイで上まで登ります
スクリーンショット(2013-08-09 14.09.05).png


▼すると、まあきれいな景色!
スクリーンショット(2013-08-08 23.06.19).png


▼山頂の葛城神社にはおみくじがあったので、おみくじをひいてみました!
スクリーンショット(2013-08-09 13.55.52).png

▼「せ~っの」であけてみます
スクリーンショット(2013-08-09 14.09.42).png


▼「"学問"のところを見てください!」と先生の声!
スクリーンショット(2013-08-09 14.10.20).png


良い笑顔です!


▼おやおや。何か悲しそうな表情の人が‥!
スクリーンショット(2013-08-09 14.10.40).png


?????


??????

?????????


スクリーンショット(2013-08-09 13.56.23).png


なるほど!

"学問"に"困難"があるようです。。。

▼でも、安心して下さい!
スクリーンショット(2013-08-09 14.10.58).png

"伊豆の国パノラマパーク"には、
学問の敵、眠気と戦うためのアイテムが用意されていました!

▼よかったですね!!!安斎さん!!
スクリーンショット(2013-08-09 13.56.35).png

お楽しみ頂けたでしょうか?
以上、山内研究室の夏合宿密着レポートでした!!

【山内研M1一同】

2013.08.03

【山内研の必読書籍】「日常生活の認知行動」


山内研の必読書籍シリーズ、最終回は伏木田より『日常生活の認知行動』をご紹介します。
この本は、Jean Laveが1988年に書いた『Cognition in practice』 の翻訳書です。
まえがきには、わたしの大好きなこんな一節があります。

「教育の分析は、(中略)他のどんな形のものであろうと、世界との関連を考えずに行うことはできない。というのは、教育とはいうまでもなく、人間が世界に出る準備をするものだからである。」

Laveは、教育が日常の活動に及ぼす影響に着目し、認知理論をもって説明することを長きにわたって吟味しています。
実証的な調査研究を行った上で、生活世界での文化、認知、活動の概念を変えるよう、いくつもの提言をしています。
その根底には、リベリアのヴァイ族やゴラ族の仕立て屋の徒弟が、日常生活において数学をどのように学び、どのように使っているか、ということについての文化人類的な研究があります。
特定の状況での認知活動を、実証的かつ理論的に特徴づけることに静かな情熱をかたむけ、そうした人間の活動が社会的状況の中にあるという特徴をつぶさに描こうとしたLaveの精緻な試みのすべてが、この本には詰まっていると思います。

わたしがもっとも惹きつけられたのは、日常の買い物についての考察です。
Laveは、毎日の活動サイクルの中で、人間が自分の行為を合理化する意思決定のひとつとして買い物をとらえています。
その上で、例えば、200g500円と400g600円はどちらが安いかといった計算には多様な方略があり、それは変化することを明らかにしています。
買い物での計算において何か困難にぶつかったとき、それを克服する努力の過程で1つの選択が引き出され、そうした問題解決の経験がその後のエピソードにつながっていくという見方をしています。

「学校の教室の先生と生徒は「日常活動」に携わっており、それは仕事帰りにスーパーで食料品の買い物をする人や、実験室の科学者と同じである」という言葉に込められたLaveの想いを、しっかりと受け止めながら熟読したいおすすめの1冊です。


参考文献
日常生活の認知行動.jpg
Lave, J. (1988) Cognition in practice. NY: Cambridge University Press.
 (武藤隆, 山下清美, 中野茂, 中村美代子(訳) (1995) 日常生活の認知行動-ひとは日常
  生活でどう計算し、実践するか. 新曜社, 東京)


伏木田 稚子

PAGE TOP