2012.12.27

【研究発表のこだわり】聞き手に学びをもたらす研究発表を目指して

D2の安斎勇樹です。「研究発表のこだわり」シリーズ、第9回です。

研究発表といっても、学会口頭発表、ポスター発表など様々な場面が想定されますが、今回の記事では「ゼミにおける研究進捗発表」に焦点を当てて書きたいと思います。山内研究室ゼミでは、週に1回、院生3名が研究進捗を発表する機会が設けられています。所属メンバーは11名なので、4週間に1度自分の発表の順番が回ってきます。他の院生、助教、指導教員からフィードバックを頂く貴重な機会ですから、情報伝達の方法に工夫をし、進捗状況を正しく理解してもらい、適切な質問やコメントをもらえるように努力することは肝要です。それができなければ、自分の研究はいつまでも進みません。

しかし最近では、「自分の研究を進めるため」に発表するのではなく、「聞き手にとって学びがあるかどうか」も重要なのではないかと考えるようになりました。そう考えるようになったのは、同期の伏木田さんの研究進捗発表のレジュメがまるで授業テキストのように構成されていたのに感動したことがきっかけで、僕自身もあまり実践できていないことなのですが(笑)。

思えば大学院のゼミは、各々が専門のテーマを掲げ、多様なメンバーで構成されています。自分のテーマについては当然ゼミメンバーの誰よりも自分が詳しく、進捗発表までの4週間は誰よりもそのことについて考えてきているはずです。そう考えれば、研究進捗発表は「他人の視点からアドバイスをもらう場」であると同時に、「自分の専門性と努力の成果を共有する場」でもあるわけです。

自分の努力をおすそわけして、他のメンバーにも発見を持ち帰ってもらいたい。そのために、進捗をレジュメにまとめる過程で「これは誰かのテーマに関連しないだろうか?」「この方法論は誰かの役に立たないだろうか?」「この発見はみんなも面白いと思ってくれるのではないか?」と想像する。そういう意識を少しするだけで、わかりやすいだけでなく、聞き手に学びをもたらす発表に近づくのではないでしょうか。

ただ「困ってるんです、助けて」という姿勢で進捗を放り投げるのではなく、聞き手に貢献するつもりで発表を行うことで、より互恵的に学び合えるコミュニティをデザインしていく。そんなことを来年度の目標の一つにしたいと思います。

[安斎 勇樹]

2012.12.23

【研究発表のこだわり】論点を明確にするために

こんにちは.M1の吉川遼(よしかわ・りょう)です.
12月20日に2012年最後のゼミが終わり,山内研でも忘年会が催され,非常に楽しい一時を過ごしました.とはいっても,M2の皆さんは忘年会が終わるとすぐ修論執筆に戻られ,かくいう僕も研究相談のためのレジュメを作ったり...,と大学院生にとって一年を締めくくることができる時が来るのはまだまだ先のようです.

さて「研究発表のこだわり」シリーズ,第8回目は吉川遼が担当します.

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●「前」と「後ろ」の繋がりを意識する

山内研のゼミは約1ヶ月周期で研究発表の担当が回ってくるのですが,研究発表は,
前回の研究発表→課題→ファシリテータの方との研究相談→[今回の研究発表]→課題→研究相談→次の研究発表→・・・
といったように,何を踏まえ,何について取り組み,その結果から何が分かり,何が分からないのか,どこについてアドバイスがほしいのかという1ヶ月の進捗を15分という時間でまとめて伝えないいけないため,情報デザインが非常に重要になってきます.まだまだ試行錯誤を重ねている段階ではあるのですが,この「前」と「後ろ」のつながりは意識して臨むようにしています.

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●なるべく読みやすく

細々とした話になるのですが,レジュメを作る際に気をつけていることは主に,
◦行間の開き具合
◦フォントサイズの統一
◦体裁の統一(箇条書き,罫線など)
の3つです.

このうち行間については,欧文と和文でも行間の開き方が異なるため,WordやPagesといったワープロソフトでは,デフォルトの行間を使うと詰まったように見えてしまいます.一般的によく言われるのは文字サイズの1.5-2倍程度ですが,普段は1.3倍程度開けることで調整しています.

また各項目の並びというものは自身の思考の流れを反映させたものなので,その流れを途切れさせないようになるべく各章はページを跨がないよう,1ページに収めるか,次のページの冒頭から始めるか,ということにも可能な限り気をつけています.

普段,体裁を考える上で参考にしている本は色々とあるのですが,例えば,

◦遠藤潤一, デザインリテラシー研究会. (2007). 情報デザインベイシクス : DTP・プレゼン・ウェブを始める人のために. ユニテ.
◦情報デザインアソシエイツ. (2003). 情報デザインソースブック = Information design source book. グラフィック社.
◦Wildbur, P., & Burke, M. (1998). Information graphics : innovative solutions in contemporary design. Thames and Hudson.
◦生田信一, 大森裕二, 亀尾敦. (2007). Design basic book : はじめて学ぶ、デザインの法則. ビー・エヌ・エヌ新社.

といったものを参考にしています.
もし,おすすめの情報デザインの本がございましたらご教授いただけると幸いです.

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●論点を明確にするためのイラスト
121222_blog.png
15分と限られた時間の中で,自分の思考や研究の概要について,少しでも直感的に理解してもらうために,レジュメにはなるべくモデル図,システムUI案カンプ...といったイラストを用いています.

ですがなかなか研究の方向性が決まらない中,研究発表に向けてモデル図を作成していると,途中で「あれ?これって実は違うんじゃない?」と気づいてしまい,不安感を抱いたままゼミに臨むことも多々あります.

とはいっても,論点を明確にすることは議論を活性化させるためにも大切な事なので,システムモデルやインタフェース案を掲載することは重要だと考えています.

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●情報に強弱をつける

発表に抑揚をつけることも重要な要素の一つです.
15分という中で,自分にとって一番伝えたいところはどこなのか,一番意見を欲しいところはどこなのかを明確にするために,話し方の強弱を意識してつけるようにしています.

初期のゼミ発表では自分がレビューした文献の要約をこれでもかと通勤ラッシュの電車のように詰め込んでいたため,それをただ読むだけでいっぱいいっぱいになってしまっていました.その結果時間もオーバーしてしまう上に,伝えたいことも伝わらず,もどかしい思いをしたことも多々ありました.それでも最近では情報の強弱について意識して発表することで,時間に余裕が生まれ,伝えたいことが伝えられるようになったと(自分の中では)思っています.

しかしながら,まだまだ僕の研究発表は内容においても構成においても改善点の余地が大いにあります.
先週まで記事を担当されてた先輩・同期の皆さんの「こだわり」,そして来週からのブログ記事を担当される博士課程の皆さんの「こだわり」を参考にさせていただきつつ,よい研究発表をすることで,ゼミでのフィードバックを研究につなげていけるよう邁進していきたいと思います.

それでは.

吉川遼

2012.12.19

【エッセイ】学習スタイルの神話

教育や学習については経験から様々な思い込みが発生します。

脳の10%しか使っていない? 「神経神話」が教育に混乱
http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-550485.html?mg=inert-wsj

この記事の中で「個人の好みの学習スタイルで教えられた方が学習効果が高い。それは聴覚、視覚、ないし運動感覚の別を問わない。」という例が出てきます。

これの何がおかしいのか?と思われ方もいらっしゃるかもしれません。聴覚教材が好き、視覚教材が好きなど、学習スタイルに個人差があるのは事実です。また、視覚教材に学習効果が高いことも実証されています。

ところが、この記事で取り上げられている実験のように、生徒に言葉で学ぶか視覚で学ぶかを選ばせた上で、学習効果をはかると差が出ません。

このような例は、他にも起きている可能性があります。学習スタイルに関する神話も教員が多く信じていますが、専門だと思っている人がはまる落とし穴のようです。自戒したいと思います。

山内 祐平

2012.12.14

【研究発表のこだわり】心がけていること

こんにちは。
11月から始まりました、"研究発表のこだわり"シリーズ。

第7回目は、M1の吉川久美子が担当させていただきます。

まだ私はM1ということもあり、研究について発表させていただく機会はあまり多くありません。
ですので今回は、ゼミでの研究発表場面で心がけていることに焦点をあて、
以下2点についてご紹介させていただきたいと思います。


1.頭の中に架空の他者を設定する

発表資料を作成する時は、"どういう順番で情報を提示したら、私の考えていることを第3者に伝えることができるのか"ということに気をつけています。

ゼミの発表では、自分の研究に対して意見をいただける大事な場です。
ですので、次につながるアドバイスをいただけるように、"私がこれまで何を考えて、どこに興味を持ち、何をしたいと考えているのか"を少しでも伝えらえるように努めています。
そのため、どの順番で話を展開していけばいいのかを常に考え、頭の中に架空の他者を設定します。
そしてその他者に伝えるにはどうしたら良いかを考え、資料に載せる情報をいくつかのかたまりに分け、それを積み木のように重ねたり、組み替えたりしながら、発表の筋を考えて行きます。
また、これは自分の考えなのか、それとも誰か他者の考えたことなのか、その区別が不明瞭に他者に伝わることがないように、注意する必要もあります。ここまでは○○の考え、ここからは私の考えということをはっきりと区別して記述するように心がけています。

しかし、この積み木内の情報の事実的確認で、せっかくの研究発表の時間が終わってしまうこともあります。
そうならないために、使う用語等について咀嚼し、解りやすく記述するように意識しています。
この情報について説明したい時に、文章で表すことが必ずしも適切とは限りません。
その場合は、箇条書きに直してみたり、イラストや表で図示してみたり、いろいろな加工を試み、
一番しっくりとくる表し方を採用しています。

2.発表する姿勢

発表する時間は限られています。
時間内におさめようとして、ついつい早口になってしまったり、発表資料ばかりに目がいって、
資料に話しかけているかのような発表になってしまうことがあります。
私もよくこのような発表をしてしまいがちです。
しかし、ちょっとしたことですが、それでは相手には伝わらないのではないかと考えます。
当たり前なことではありますが、まずは自分の発表を聞いてもらうためには、聞き取りやすい声の大きさとスピード、そしてその姿勢を示すことが大切なことのように思います。


ゼミは、同期や先輩方の研究発表の仕方から良いところを学べる機会でもあると思います。
研究内容だけでなく、その発表の仕方についても多くのことを学びながら、
上記のこだわりを大切にしつつ、伝わる研究発表を心がけていきたいと思います。

吉川久美子

2012.12.06

【研究発表のこだわり】研究発表レジュメの作り方

こんにちは。M1の梶浦美咲です。
M2の方々が修論提出に向けてラストスパートを切っている傍ら、私は私でどのようなシステムを開発するのか、また研究以外のことで悶々とする日々を送っています。

さて、今回のテーマ【研究発表のこだわり】ということで、まずは執筆されたM2の方々の記事を読み、私自身も勉強させて頂きました。
ゼミでの研究発表では毎回レジュメを用意して発表するのですが、そのレジュメの構成やデザイン、発表準備段階に関する工夫、また、ゼミでの発表以外の場における研究発表の工夫について紹介されていました。

私は前者のゼミでのレジュメについて、その構成面とデザイン面に関して意識していることを紹介したいと思います。

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■構成面
私のレジュメの構成は以下の通りです。

0.発表内容の目次
1.前回の発表
2.研究の進捗
3.前回から今回までの間に進めたこと&その考察
4.今後の予定
5.参考文献

まずは、前回の発表の確認、そして現在していることを列挙、そして今回までに実際に行ったこととそれに対する自分なりの考え&最終的に自分の中で至った結論、今後の方針について報告しています。
特に3.では自分の思考プロセスを聞き手側が追えるように意識しています。自分のその過程が客観的に見て間違っていないかを確認してもらう意図があります。
また、ただ調査した結果を報告するだけでなく、それに対して自分がどう考えたのかをしっかり伝えるようにしています。今の自分の考えを伝えることで、ゼミにおいて、その考えを発端に議論が生まれる可能性があるためです。

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■デザイン面
◎罫線を使って見やすくする。

デザインとまではいかないかもしれませんが、私がこの山内研に来て、先輩方のレジュメを見ているとよく罫線が使われていることに気付き、私もそれを採用しています。
ご存知の方も多いとは思いますが、MS Wordメニュー[罫線]から[線種とページ罫線の網掛けの設定]を選択すると様々な罫線が引けます。これを使うだけで読みやすくなり、かつ見栄えが良くなります。
私は目次の各項目名の下に区切り線を引いてみたり、目立たせたい部分を罫線で囲んでみたりしています。

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以上、私のこだわりについてご紹介しましたが、やはりまず基本となるのは色々な発表を聴いて、良いと思った研究発表を真似することだと思います。
何をするにも、手本となる人をみつけてそれを自分なりに真似てみることがスキル向上の一番の近道なのではないでしょうか。

■最後に...
研究する上で、その成果を発表する場は必然的にやってきます。そこでいくら研究内容が優れていてもその内容が相手に伝わらなければ、相手から的確な意見を貰うことはできません。だからといってデザインを重視しすぎて、研究内容が疎かになってしまったり、ハロー効果を生んで聞き手側の評価を歪めてしまえば本末転倒だとは思います。
しかし研究する上で、いかに自分の研究を相手に伝えられるか、その手段としてのプレゼンスキルは大切だと日々実感しています。
今後も人に伝えることを意識して発表資料を作成していこうと思います。

梶浦美咲

2012.11.29

【研究発表のこだわり】親しみのある色をのせる

みなさんこんにちは。M2の山田小百合です。

気づいたらもう修論提出まで1ヶ月ほどとなりました。毎日データや文献とにらめっこしながら過ごしています。

さて、研究発表のこだわりということですが、自分の研究を発表する機会は、ゼミでの研究発表のみにとどまりませんよね。
学会や研究会、何かのイベントに呼んでいただきお話をするなど...発表の機会は多岐にわたります。
研究室外で発表の機会をいただいたときは、自分が専門とする分野を知らない人が聴いてくださることも多いので、誰が聴いても伝わるようお話したいものだなと思っています。

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私は現在子ども(小学生)対象の研究をしているので、見栄えとして「保護者&子ども」に親しみのあるものにしたいというこだわりがあり、研究発表資料(ポスターやスライド)も活かしたいと思って意識しています。

少し話がそれますが、私の研究はワークショップ実践があってこそできる研究なので、何よりワークショップに人が集まってくれないと研究ができません。
しかも、対象は小学生なので、小学生に告知をする際には「保護者」にアプローチをしなければなりません。

保護者でインターネットから情報をキャッチしてくださる方は、正直まだまだ多くありません。
そこで、できるだけチラシを作るのですが、どんな情報も、子どもたちが興味を持ってくれても、「保護者」がOKしてくれないと、子どもたちは来てくれません。(当たり前ですね)
なので、子どもたちにも「楽しそう!」と思ってもらいつつ、保護者のみなさまにも、「子どもを参加させたい」と思ってもらう必要があります。

そんなとき特に意識するのが、どんな色の組み合わせだと(発表)資料が見やすいか、ということ。
明るい色がいいなぁと思いつつ、原色並べても目に痛いですし(笑)、優しい色で、かつ色でごちゃごちゃしないように気をつけ、少しでも親しみやすさを感じてもらえるように考えています。

発表の構成については先週までにM2メンバーが書いてくれたので、そういった構成・ストーリーに「どう色付けするか」が私のこだわりです。
アプローチしたい対象に、まずは直感的に親しみやすさを感じてもらわないと、そもそもその資料に目を向けてくれないと思うので、まずは目を向けてもらうことを意識しています。
今は子どもを対象にした色付けを意識していますが、対象によって変化します。

 ▼

ワークショップでの雰囲気が、研究発表という異なる場所でも伝わるといいなぁと思い、こうしたチラシなどのデザインの延長で、ポスターやスライドを作っています。
資料を作成する際、使う色は2色までにできる限りとどめ、度々テーマカラーを設定しています。
ちなみに現在の研究のテーマカラーはピンクで、サブカラーとしてスカイブルーを使っています。
できるだけ目にやさしいパステルカラーの中で組み合わせを考えており、なるべく赤に近い色のほうが、温かみがあるなぁと思って、ピンクを選定しています。
また、ピンクは女の子、ブルーは男の子をイメージしており、「男の子も女の子も楽しんでいる場面」をイメージしています。

写真.JPG
*上が人工知能学会主催の研究会での発表資料で、下が修士論文中間発表資料です。


 ▼

実は保護者向けのサイトや、子どもの学習支援などのサイトのデザインをかなり見ていた時期がありました。
子供向けのサイトは「かわいい!」のはもちろんのこと、色の配置が優しくて、とても親しみやすさを感じるところが多いです。
子供向けのイラストを提供しているサイトなども参考になるのでお勧めです。

山田小百合

2012.11.24

【研究発表のこだわり】構造的に見せるデザイン

みなさまごきげんよう.修士2年の早川克美です.

修士2年のこの時期,みな修論執筆の大詰めに差し掛かっています.
私は...というと,4月から勤務を開始した大学で来春開講予定の新学科開設準備との調整が難しく,修論提出を1年延ばすお許しをいただき,少し研究活動からは離れた同期とは異なるリズムの日常となっております.

さて,今回のお題は「研究発表のこだわり」.

山内研究室では月に1回研究の進捗を報告することとなっています.
社会人院生である自分にはその1ヶ月の過ごし方が難しく,ずっと頭の片隅にありながら...発表1週間前に資料化に着手するという正直,悪循環となっています.
そんな状況の発表ですが,私にもこだわりはあります.

私のこだわりは「視覚的に構造がみえる」資料を作成し,ラボのメンバーに伝え,ご意見をいただくことです.できているか?というとまだその域に達していない状況.(これは何より私自身の脳内が構造化されていない状況で資料化にのぞんでいることに問題があります)
...と自省ばかりしていても記事が進まないので,どのように準備して資料化に至っているかをご紹介します.

◯準備段階
 参考文献のマークしたポイントを最初はポストイットにメモ書き,
 その後,Pagesにテキスト化して書き溜めます.
 出典もテキスト化しておくと後の整理が楽になります.

◯ページネーション
 資料の構成をどのように表すか?の台割をノートに書きます.章立てに近い作業.
 前回のふりかえり,今回の課題,進捗,今回までの到達点,参考文献リスト.

◯レイアウト・フォーマット
 私は発表資料をすべてIllustratorで作成しています.(良し悪しですね)
 台割を美しくまとめるグリッドを,白紙のベースにミリ単位で置いていきます.
 どんな資料でもこのグリッドが決まっていると見え方が違ってきます.

◯文字の設定
 研究発表では皆A4横位置を半分に分割して2ページ見開きで作成しています.
 そこで読みやすい文字の設定をルール化します.
 大タイトルは新ゴM12pt, 見出しは新ゴM10pt, 本文は筑紫明朝L8pt,
 図版はボリュームによって新ゴMor見出しゴmin4.75pt〜max8pt,
 文字は大抵ベタで組み,行間は文字高の1.25倍を目安にします.

 基本は3種類,それ以上の文字(太さ・大きさを含む)を使わない.

◯カラー計画
 特に議論・ご意見をいただきたい箇所に使用するキーカラーの設定.
 この色は大抵鮮やかな色を使います.
 これに対し,本文説明段階での注視ポイントに使うサブカラーは無彩色で.
 基本はキーカラー・サブカラー・本文の3色. 

◯図版の作成
 私はデザイナーであることもあり,山内先生から理解したことをインフォグラフィック化するようにご指導いただいています.その時点での自分の理解を,テキストのみではなく,図示する作業は自分の能力には向いていると思い,ありがたく挑戦しています.

◯完成後は共有していただくためにPDF化


多分,以上はポスター発表の際にも参考になるかと思います.
サイズが異なるのでただ等倍にすればいいというものではありませんが.
(ポスターの場合はさらに強弱の度合いを高めると明快になります)

他のメンバーとはちょっと異なるデザインの視点でのこだわりをご紹介しました.
同期のがんばりを目に焼きつけて,早く研究活動に復帰し,最初にも書きましたが本来の目的である「研究を構造的に見せる」ステージに進まねばと思っています.

今年の冬はかなり寒いそうです.
みなさま,ご自愛くださいませ.

ではまた.
拙文におつきあいいただきありがとうございました!

早川 克美

2012.11.20

【エッセイ】MOOCsで大学はいらなくなるのか

CourseraやedXといった大規模オープンオンラインコース(MOOCs)を単位として認める大学が少しづつでてきています。このような動向については、オープンエデュケーションについて研究されている重田さんのブログにまとめが掲載されています。

【解説】MOOCsを使った大学単位認定の現状

これで実空間の大学はいらなくなるという論調もあるようですが、事態はそう単純ではありません。単位認定と卒業認定の間には大きな差があり、実習を含め全ての卒業単位をMOOCsでまかなうのは現時点では難しいからです。

MOOCsのコンテンツは一流大学の授業を元にしており、内容は優れたものです。ただ、学習支援が十分に行われているわけではありません。チューターをつける金銭的余裕がないので、学習者相互の助け合いに頼っているのが現状です。アメリカの教育研究者の中には、あまりに学習支援が貧弱であることに怒っている人たちもいます。このような状況でもまわっているのは、現在のMOOCsが対象としているのがトップ層に限られているからです。つまり、学習支援をあまり必要としていない人たちを対象にしているので成立しているということであり、このモデルを一般の大学に適用することは難しいでしょう。

現状では中小規模の大学で科目の多様性を確保しにくい場合に、MOOCsと対面型の学習支援を組み合わせて、単位として認めるケースが現実的なシナリオだと思います。実際、edXとゲイツ財団がそのような試みを始めています。

日本ではあまり知られていませんが、アメリカにはオンライン大学がたくさんあり、学位をオンライン授業のみで与えることが20年以上行われてきています。これらの大学はMOOCsとは違い学習支援にも力を入れています。それにも関わらず対面型の教育がなくならなかったのは、対面型の教育に一定のメリットがあるからです。教育省の調査でも、オンライン学習単体よりもオンラインと対面型を組み合わせたブレンド型学習が効果的であることが明らかになっています。

私はMOOCsの真価は大学をそのままオンラインに置き換えることではなく、学習内容に関心がある優秀な人々を国境を越えて集めたという点にあると考えています。高等教育のアメリカへの寡占化が進むのと裏腹に、多くの国では高いレベルの教育を受けられない人々が、持てる可能性を広げる機会を待ち望んでいます。その方法は従来の大学という形にとらわれる必要はありません。Courseraのジョブマッチングモデル(授業を優秀な成績で修了した学生を企業に斡旋する)はその一例といえるでしょう。

山内祐平

2012.11.16

【研究発表のこだわり】建設的なコメントをもらうために

こんにちは,今週のブログ担当の,M2末 橘花です.
寒い日が続きますが,皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて,我らが山内ゼミでは月に一度,研究の進捗発表が回ってきます.たくさんの方からコメントをいただける月一度の大事な回なのです.

しかし発表の仕方で,いただけるコメントの質に差が出てしまうこと,そんな経験をしながら私が気づいたこと,そして今現在ももがいていることをひっくるめてお伝えしようと思います.

恥ずかしながら,M1の最初の頃は,先輩方の発表と比べ,自身の発表は議論が盛り上がらない印象を受けました.そんな時,たまたま研究室の卒業生とお話をする機会があり,研究室の先輩のレジュメを真似てみてはどうか?とアドバイスいただきました.それまでは漠然と資料作成をしていたのですが,それを機に,先輩方にレジュメをいただき,参考にしながら発表資料を作ってみました.すると,建設的なコメントをいただける発表のポイントが見えてきたのです.具体的には,

・自分の状況や現状の共有する
・先行研究の報告だけではなく,その中でとりたい立ち場を明確にする
・何に対してアドバイスが必要なのかを明らかにする

などでした.

例えば,博士課程の先輩ですと博論という大きな枠組みの中で,何章の研究しているのか,が明確になっていること,また,先行研究の紹介にしても,調べた結果を報告するだけでなく,その中で自身がどの立場を取るのか明確でした.更に,これまでの研究で,どこまで決定していて,どこにつまづいていて,どんなコメントを必要としているのかがとてもわかり易く書かれており,発表を聞いていても理解しやすかったです.

自分の発表は,調べたことをまとめただけのただの進捗報告だったことに気づきました.それからは,どんなコメントをもらうためにどのように発表するべきなのか,また,わかりやすく伝えるためにはどうするべきなのか,ということをより意識するようになりました.

また,いろんな人のレジュメの構成や発表の仕方,デザインに興味を持つようになりました.実は,今回のブログのテーマも私が是非とも聞いてみたいということで,提案させていただいたのです.これからもゼミ生の「発表のこだわり」がたくさん出てくるので楽しみにしていてくださいね.

今でも,発表でうまく伝えられず,苦労をしている部分もありますが,少しずつうまくなってると良いなと思います.修論提出まであと1ヶ月ですが,こちらも先人(先輩方)の知恵をお借りしつつ,自分らしい修論が書けるように,最後の追い込み,頑張りたいです!


末 橘花

2012.11.08

【研究発表のこだわり】自分のための研究発表

皆様、ご無沙汰です。今週のブログの担当の呉重恩です。
丁度ゼミの研究発表が1回しか残っていないときにこのようなテーマについてブログを書くのは、時期的にとても相応しいと感じています。

ゼミでの発表自体には特に何もこだわっていないと思います。ただいままでの先輩達の発表やレジュメを見ていて、真似をしていただけです。

ただし、ゼミの限られた時間の中での発表は、あくまでも「人に見せる」ものです。なるべく簡潔にまとめて、言いたいことを人に伝えれば済むという、所謂1種の報告文です。
そして「自分に見せる」ものとしての発表は、決して15分間以内に簡単に伝えられるようなものだとは思っていません。
研究発表は、人に自分の進捗状況を伝え、今後の方向についてコメントとアドバイスを頂く機会だけではなく、自分の研究の足跡でもあります。他人に理解してもらうのも大事ですが、究極的にいえば自分の研究ですから、まず自分のための研究発表にしなければならないと思います。
このような研究発表は、ゼミ発表という一時期だけに機能するものではなく、事前の計画でもありますし、ゼミの終わった後のリフレクションでもありますし、さらに言えば、卒業論文を書くときに直接使える資料としても機能できると思います。資料を見て、すぐ以下のものを提起してくれたような発表資料だったら、それが合格な資料だ、とわたし的には考えています。
「××という間に、わたしは××ぐらいの作業をしていた;
目標の××%ぐらいを達成した;結局完成できなかったところは××というところだった―その原因としては××だった;
ゼミで××というようなコメントをもらった;

次の研究発表との間にとういう繋がりがあったのか」

そこで、研究発表が含んでいるのは、ただゼミで皆に見せるレジュメだけではなく、研究発表までの準備作業、そしてその後のまとめとリフレクションが大事になり、前後を含めている時間帯の中にするべきこともレジュメの作成よりはるかに多くなります。

自己流なんですが、研究発表のために必ず確保するタスクとしては:
1、発表のゴールと発表するまでのスケジュールを確定
2、文献を大量にダウンロード  1~2日
 ―効率を求めるので、大体疲れている時や、集中力が足りていない時、つまらない授業にいた時にこの作業をします。だいたい文献を探したり、ダウンロードしたりするのは、相対的に言えば一番楽な作業だからです。
3、文献を読む  1~3日
 比較的に体力がかかる作業ですから、基本的に身体状態と精神状態が一番良い時にするようにアレンジします。私の場合は、ダウンロードするだけのものを全部読みます。読む部数は毎回の発表の課題によっているのですが、基本的に毎回20-80部の量で、限界は英文300ページぐらいです。
 目的を持たずに読むと、余計に時間がかかる以上に、読んだ後に結局何が分わかったのかも分からなくなることがありますから、発表の課題とゴールを常に覚えながら読みます。
 読むときは必ず重要なところに印を残しながら読みます。さらに文献の表紙に類型と重要さを表記します。
4、文献を抜粋  1日
 今後のために、特に重要な理論や知見を抄録します。わたしにとっては、今の研究は全く新しい分野ですから、先行研究について十分に調べる必要があります。ばた、特に重要な理論なら、今後論文を書くときにも論点を支える重要な根拠となりますので、重複作業を避けるため、とりあえず抄録の作業をしておきます。
5、レジュメを作成  1日
 この作業はむしろ簡単です。ゴールも課題も文献の抜粋も全て出来ている段階ですから、ただこれらを体系化するだけが残ります。
6、ゼミ発表  30分間
7、コメント整理と研究相談  1時間
 ゼミ後は、皆様からのコメントを整理して、それに基づいて次のゴールとスケジュールをさらに作成します。また、次のゼミまでに研究相談を行い、ファシリテーターに悩んでいるところについて相談をし、方向性の調整をします。
8、リソースを広げる  念頭に置きながら適当な時間を使う
 2のとことで集めた文献は、基本的にその回の発表に限って使われる文献です。しかし、研究、特に自分にとっていままで全く触れていなかった分野の研究をする場合は、目の前の時期に必要とされる文献だけを読むのは、視野が狭くなりますから、そうすると最終的出来た研究の厚味と説得力が不十分なことになるかもしれません。ですから、読まなければならないものからもうちょっと範囲を広げて、様々なルートから様々なリソースに触れたほうが良いと思います。関係分野の人のブログ、関係の話題をめぐった掲示板、関連しそうな製品開発・広告・実業などは、レベルとしては直接論文で引用できそうなリソースではないけど、研究をする時の視角と発想を多様化してくれる役目がありますから、大事にしたいと思います。こういう工夫をしているうちに、研究は社会と実生活から疎遠しているものではないということも段々分かるようになると考えていました。

大体こういう感じです。といっても、たぶんゼミの全員が同じようなことをしていますから、とてもわたしならではのこだわりとはいえないかもしれません。最後の研究発表の前に「いままでの研究発表のやりかた」を回想しながら、それを共有させて頂く思いで今回のブログを書きました。

ps:
最後の研究発表で潰されないように、最後の努力をします。よろしくお願い致します。

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