2009.02.26

【私とylab,この一年】研究と教育と...(りん)

 私たちとylabの一年を振り返る【私とylab,この一年】第3回は,林向達がナントPodcastでお届けします。ははは。(音量に気をつけてお聞きください)
(mp3 file; 5min40sec)
 大変お世話になりました。またいつかどこかで!

[林 向達]

2009.02.25

【エッセイ】リッチな時間

2月21日(土)に日本語教育学会主催のワークショップ型研修「未来の日本語学習環境を考える」で講師を担当しました。(お世話になった望月さん、佐藤さん、池田先生、島田さんをはじめ、日本語教育学会のみなさま、ありがとうございました。)
ワークショップのよいところをとりいれるため、構成をシンプルにし、体験・ディスカッション・ポスターセッションを中心にプログラムを組みました。
参加者の方と懇親会で話していたら、今日はいつもの研修より時間の流れ方がリッチだったという感想をいただきました。ありがたいことです。
参加者の様子を見ながらぎりぎりまで待つファシリテーションが功を奏したようです。このあたりの見極めは、共同研究させていただいているCAMPのファシリテーションに学ぶところが大きかったように思います。研究と実践が交差する瞬間はなかなか楽しいものです。

[山内 祐平]

2009.02.23

【私とylab、この一年】手帳を見ながら振り返る(牧村)

【私とylab、この一年】第2回は、牧村がお送り致します。
私は修論を提出するまでの2年間、いつ頃何をしていたか、ということを振り返ってみたいと思います。

 入学当初から私のキーワードはワークショップ、空間でした。
 入学前の3月末に先輩に声をかけていただき、世田谷ものづくり学校で行われていたワークショップのお手伝いをさせていただいたのが、研究にもご協力いただいた同志社女子大学の上田信行先生との出会いでした。机を並べ、ロール状になった模造紙を床に置いてその日の流れを記入したり、ベランダにテーブルを置いて食べ物を用意したり、参加者が着るTシャツを用意したり、といった準備からお手伝いさせていただきました。上田先生は参加者の動きを想定して、入口のしつらえをしたり、ベランダの様子をチェックしたり、音楽をかけたりと会場を忙しく歩き回っていらっしゃいました。それまで自分たちでワークショップをする、という経験も何度かあったものの、初めてベテランの技を体験し、ワークショップという場が上に挙げたような様々な要素で成り立っているのだということを実感しました。
 5月になると博報堂こどもごころ製作所の方に声をかけていただき、ワークショップコレクションのお手伝いをすることになりました。6月末の本番に向け、大忙しの日々を過ごしました。ワークショップを行うブースデザインもさせていただき、デザインした場で参加者がどんな風にして過ごしているのかを見ることができる貴重な体験でした。7月末にはワークショップをもう一つ。
 夏合宿では、上田先生のゼミとCAMP大川センターを訪問させていただきました。9月の教育工学会では、様々な発表や先生方にいただいたアドバイスから、ベテランの実践家達にとってはワークショップの活動のデザインと空間のデザインは同時に起こっているのではないかということを感じ、そのことに着目したいと思うようになっていました。
 10月には「ワークショップ的な」パーティーを、という依頼を受け企画のお手伝い。過去のゼミ資料を振り返ると、自分で場をしつらえて比較をするのではなく、ベテランがデザインしたワークショップを見てみたい、ということを決定したのはこの頃でした。
 11月になると、建設中の福武ホール現場見学会があり、ここで何かやってみたい・・・という思いがふつふつと湧き始め、1月のゼミでは実践家の方に福武ホールにいらしていただき、実験を行うという実験計画の元ができました。同時に、企業やNPOで実践をされている方々にお話を伺ったり実践を見せていただきました。
 「実践家が捉える場の利用可能性」という言葉をタイトルの中に入れたのは2月でした。ワークショップのデザインをしながら福武ホールの空間を見ていただき、その後インタビューを行うという実験計画を作りつつ、3月にはお二人の実践家の方にご協力いただきプレ実験をさせていただきました。この結果を受け、実際のインタビューでの質問項目を決定していきました。
 5月には、博士課程の森さんにご紹介いただいた実践家の方々に実験ご協力のお願いを始め、6月から11月にかけて6回実験を行いました。実験が終わると、実験時に撮影したビデオを見ながら文字起こしをし、そのデータとにらめっこするという日々。プロトコルを分類してみたり、実践家のデザインプロセスを図示してみたりと色々なことを試しました。
 9月に教育工学会での発表を終え、実験と並行しながら10月には論文のアウトラインについて考え始めました。10月末には中原先生から80人程の参加者を集めたワークショップを企画する機会いただきました。結局私はこの時期になっても実践に関わることをやめられませんでした。うっかり気持ちが変わってしまわないように、周りの人に「これからは修論以外のことはしない!」宣言をしました。
 11月には各章で言いたいことを書き出し、「書けるところから書く!」をモットーに毎日を過ごすことになります。
 全ての実験が終わり12月には「誰がやっても同じになるように」手続きを踏んで分析をしつつ、週に一度のペースで山内先生に分析と執筆の進捗報告をし、アドバイスをいただきました。12月中旬になると、往復3時間の通学時間ももったいないと思うようになり、自宅に全ての資料を持ち帰って家にこもりました。まさしく「産みの苦しみ」。それなのに、なんだか楽しい。
 年も明け、5日に開かれた毎年恒例のチェック大会でいただいたコメントをもとに修正し、緊張の印刷、製本、無事提出となりました。
 こんな風にして私は2年間を過ごし、寄り道をしながらも、本当に色々な方にご協力いただきながら修士論文『ワークショップ実践家が捉える空間の利用可能性に関する研究』ができました。実験計画を立てる段階で断念したこと、実験で聞けなかったこと、文章にする時点でこぼれ落ちてしまったことなど、できなかったこともたくさんありました。でも、まだ誰も知らなかったこと、そして何よりも、私が知りたかったことを明らかにすることは、とても刺激的なプロセスでした。山内研究室は、私にとって最高の「学習環境」でした!

[牧村真帆]

2009.02.12

【私とylab、この一年】自問自答と試行錯誤(坂本)

【クローズアップ教材】が一回りし、このメンバーでblogを更新していく
今年度最後のシリーズとなりました。
そんな今年度最後となるテーマは【私とylab、この一年】と題しまして、
メンバーがそれぞれの目線で4月からの1年間を振り返ります。
特にその中でも、修了を間近に控えた僕らM2の3人は、
修士2年間の出来事を振り返りたいと思います。

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毎度トップバッターの坂本は、
自分が2年間で修論を進めていった過程を振り返りたいと思います。

山内研では、週に1回ゼミが行われ、研究進捗の発表は
一人につきだいたい月に1回のペースで回ってきます。
ゼミと各自の研究相談を通じて、メンバーそれぞれが自分のテーマを決めていきます。
修士2年間の大まかな流れとしては、
M1の1年では研究計画をしっかりと立てることが、
M2の1年ではその研究計画を着実に実行していくことが、
大きな目標として設定されています。

そして、みんなそれぞれの年に苦しい時期があります。
僕の場合は、1年目はテーマの焦点化、2年目は研究の方法論でした。

■修士1年目
研究計画を立てるとき、土台となる問題点が絞られていないと
地に足がつかない研究になってしまいます。
僕の興味・関心は入学当初から漠然としており、
ゼミで発表する度に「何が言いたいのかわからない」
「問題意識は何か」とずっと問われてきました。
協調学習や教師の支援方略に興味があることは自覚していたのですが、
ただ「おもしろい」と思うだけで、そこに「もっとこうしたらいいのに」とか
「こういう場合はどうなるんだろう」といった問題意識が薄かったのだと思います。

そんなM1の時期にまず与えられる課題は、「とにかく文献を読んでくること」です。
僕は少しその期間が長かったように思います。
読んでまとめてきては足りないところを突っ込まれの繰り返しでした。
協調学習の面白さだけに着目していた頃は、
協調学習の問題点には目がいきませんでした。
本来、効果的な協調学習を実現するためには、その問題点を認識しつつ、
それを避けるようにデザインしなければならないのです。
協調学習に限らず、関連する様々な分野で同じことを繰り返していく
というサイクルが続きました。
その間は、ただ文献を読むだけでは時間だけが過ぎていきます。
読むたびに自分の興味・関心と照らし合わせ、
「共感するもの、納得いかないものがあるか」「あるならそれはなぜか」
ということを常に意識していました。

では、いつテーマが決まったのか。
それは本当に何気ない一瞬でした。文献を読んでいるとき、
ある時ふと「ScaffoldingとFading」の関係性にたどり着いたのです。
M1の1月頃だったでしょうか。

山内研では、「研究のヒラメキ」が起こることを、「神がおりてくる」と言います。
そのときの瞬間を僕にとっての「神」と言っていいのかどうかはわかりませんが、
Fadingのプロセスに関する研究は行われていないことに加え、
個人的な興味・関心としても、学習者側の行動である「学び」と
支援者側の行動である「支援」が結びつく、納得のいくテーマでした。
そしてそこに絞った研究計画を書き、
先生の「うん、いいでしょう」という言葉をもらったのでした。

■修士2年目
もちろん、それで万事解決ではありません。
研究計画は「計画」でしかないばかりか、
その計画でさえもロジックや概念の整理には
まだまだ甘いところがたくさんありました。
M2の1年では、それを詰め、実行していくプロセスに入ります。

問題意識がクリアになっても、それを実現するためには
「研究の方法」がしっかりしていなければいけません。
何をするにも初めての出来事。
こればかりは本を読むだけではうまく行きませんでした。

僕の場合、インタビューの質問項目を考えるのが一つ目の大きな壁でした。
示唆に富む「分厚いデータ」を収集することができる質問項目を考えるのには、
何回も試行錯誤を繰り返しました。
実際の教育現場へフィールドワークに行かせていただき、
質問項目を考えては作り直しながらヒヤリングをしました。
インタビューの質問項目がある程度決定したら、
本当にそれで問題ないかプレインタビューをお願いしたりもしました。

質問項目ができあがり、本番のインタビューに入っても、
それを分析するのにまた大きな壁にぶちあたりました。
インタビューで収集した先生方のデータはすごく面白いのですが、
研究結果として手続き的に分析していくのに、ものすごく手間取りました。
分析は、「誰がやっても同じ結果になる」ように、手続きを明確にし、
機械的に進めなければいけません。
でも僕は、どうしても自分の頭の中で解釈してしまい、先に進めませんでした。
最後は結局、山内先生に手取り足取り指導していただきながら分析を進めました。

山内先生は、研究には「新しい学びの形を創りたいという『問題意識』と、
アイデアを実現するための『道具』」が必要であるとおっしゃいますが、
僕は十分な「道具」を持っていなかったのだと痛感しました。

研究方法に関する議論は、突き詰めると本当に複雑で多岐にわたっているので
ここで軽々しく扱えるような内容ではないのですが、
先生に助けてもらいながら分析を進め、なんとか結果を形にすることができました。
先日も現場の先生方の前で研究内容を発表する機会に恵まれ、
発表後、本当に嬉しい言葉をたくさんいただきました。
お世話になった先生方に恩返しがしたいという気持ちでやってきたので、
ここまで頑張ってきてよかったと心から思えました。

■修士研究を終えて
もちろん、修士研究が形になったことで全てが終わったわけではありません。
研究をしていると、知るたびに余計訳がわからなくなることがたくさん出てきます。
その連鎖で、これまでゼミで学んできたことや前に読んだ本の内容、
授業で学んだ内容、飲み会のときに先生や先輩が話していた内容ががリンクし、
「わかってはわからなくなる」を繰り返していくのだと思います。
山内先生は、
「『神』はいつおりてくるかわからないけど、努力しないと絶対おりてこない」
と言います。
その、何かと何かがリンクする瞬間に、「神」が隠れているのかな、なんて思ったりもします。

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秋以降、山内研には、来春から仲間入りする"M0"が出入りするようになり、
いよいよ世代交代の季節が近づいてきた、と感じます。
M0のみなさんは、これから、研究がうまく進まなかったり、
授業との両立が難しくて疲れてしまうことがあるかもしれません。
それでも、同じ学年の仲間とともに力を合わせたり、
同じ経験をしている先輩たちからアドバイスをもらったり、
先生やスタッフのみなさんから、厳しいけど的確で暖かい励ましをもらいながら、
修士研究が完成したときの喜びは何事にもかえられません。
「神」に出会うのに必要な努力を続けるためには、
仲間の存在がとても大きいように思います。

これからも、山内研のみなさんから
興味深い研究がたくさん生み出されることを期待しております。
僕もまた、わかり続けるための連鎖を途切れさせないよう
学び続けていきたいと思います。

2009.02.05

【クローズアップ教材】向後研究室のWeb教材

【クローズアップ教材】も最終回となりました。
今週は博士課程2年の森玲奈が担当いたします。

今回は早稲田大学人間科学部 向後千春研究室 が開発し、実際に大学の授業で使用しているWeb教材をご紹介します。

これらは一般公開されており、個人が自由に活用することができます。

(HP上には、教材を授業や講習会などで利用するときは、同一内容を収めたCD-ROM教材をご注文いただくことをお勧めします、との記述があります)

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具体的には下記のようなものがあります。

ハンバーガーショップで学ぶ楽しい統計学(2004)

平均・分散、信頼区間、χ2乗検定、t検定、分散分析までをカバーします。

アイスクリーム屋さんで学ぶ楽しい統計学(2003)

散布図、相関係数、偏相関、単回帰、重回帰、因子分析までをカバーします。

ネコのぶきっちょと学ぶC言語(2002)

Windowsパソコンを使ってCプログラミングの初歩を学びます。

園長と学ぶHTML・スタイルシート(2001)

基本的なHTMLタグの使い方とスタイルシートを学びます。

アフロ先輩と学ぶ実用文の書き方(2000)

実用文の書き方を、基礎編・実践編に分けて学びます。おまけとして「日記の達人塾」を収録。

つっちーと学ぶ情報処理(2000)

マッキントッシュを使って、ブラウザ、エディタ、クラリスワークスの使い方を学びます。

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興味深いのは、これらの教材に関して「フィードバック」をしてほしいということが書かれていることです。
教材の中に間違いや疑問の点などありましたら、メールでご意見を向後先生までお送りください、とのことです(HPにはメールアドレスが書かれています)。

教材も沢山の方に使われる中で揉まれ、フィードバックを通じてよりよい教材に成長していくのでしょうね。
まさにフォーマティブ、という感じがして、素敵な試みだと感じ応援しています。

【担当:森玲奈】

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